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トメスクが独走V 日本勢はメダル逃す

[ 2008年8月17日 08:33 ]

レースを終え、観客席に一礼する中村友梨香

 【北京五輪 陸上】女子マラソンは天安門広場から国家体育場までの42・195キロで行われ、日本は土佐礼子(三井住友海上)が途中棄権、中村友梨香(天満屋)が2時間30分19秒の13位で、5大会ぶりにメダルを逃した。

 土佐は16キロ付近で先頭集団から遅れ、20キロ手前で大きくペースダウン、その後途中棄権した。28キロ手前でトップを追う集団から遅れ始めた中村は、その後もじわじわ後退した。
 20キロすぎからペースアップし、独走した38歳のトメスクが2時間26分44秒で初優勝。この種目では史上最年長の優勝で、ルーマニアに初の金メダルをもたらした。昨年の世界選手権女王のヌデレバ(ケニア)が銀、周春秀(中国)が銅メダル。
 世界記録保持者のラドクリフ(英国)は23位。五輪連覇を目指していた野口みずき(シスメックス)は故障で欠場した。

 ▼中村友梨香の話 先頭集団にずっとついていこうと思ったが、途中でついていけなくなった。世界のトップとはすごく差があった。最後は思うように体が動かなかったが、自分の力なのかな、と。ロンドン五輪に向けては1年1年もっと経験を積んでもっと強くなっていきたいと思う。
 ▼コンスタンティナ・トメスクの話 後半にペースを上げる作戦だったが、スピードを上げたら誰もついてこないので驚いた。多くの強い選手がいたので、金メダルを取れるとは思わなかった。本当に幸せだ。
 ▼河野匡コーチの話 つらい思いをしたのは選手本人。(土佐、野口の故障は)結果論。けがを恐れては五輪で戦えない。女子マラソンの日本の伝統を途切れさせないような態勢を整えたい。

 【経過】曇天で時折雨粒も落ちる序盤は、最初の5キロを18分台中盤、その後は5キロを17分台後半で推移するかなりのスローペース。前回3位のカスターが5キロ付近で立ち止まるアクシデントが起きる。土佐、中村は先頭の大集団の中団につける。
 先頭集団のペースが上がらない中、16キロ付近で土佐が遅れ始める。20キロ手前でスローダウンし、見る見るうちに後退。その後、途中棄権した。
 ペースはやや上がり、20キロすぎでトメスクが抜け出して独走態勢に入る。中村は28キロ手前でトップを追う集団から遅れ始めた。周春秀やヌデレバ、ラドクリフらがトメスクを追うが、25キロで約30秒だった差は、30キロ地点では1分近くまで開いた。
 30キロすぎでラドクリフがメダル争いから脱落。一時ストップするアクシデントも。
 トメスクは2位集団の追随を許さずにゴールした。後続は競技場内でのトラック勝負に。2位争いは最後の直線勝負となり、ヌデレバが周春秀を振り切って銀メダル。中村はトップから3分半以上遅れての13位だった。

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2008年8月17日のニュース