【日本ダービー】鈴木康弘氏 ダノンデサイル横山典の胆力が展開を引き寄せた

[ 2024年5月27日 04:40 ]

<日本ダービー>レースを制したダノンデサイル(右から2頭目)。左から2頭目は2着・ジャスティンミラノ(撮影・村上 大輔)
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 【鈴木康弘 達眼解説】ダービーの行方を見守る競馬の神様は良い位置、良いコースを通った人馬にニッコリとほほ笑みました。前半1000メートル62秒2の超スロー。後半800メートル11秒3~11秒1~11秒2~11秒5のハイラップが続く上がりの競馬になっては後ろからでは届かない。外を回しても間に合わない。インの経済コースを4、5番手で進んだ横山典ダノンデサイルだけにビクトリーロードが用意されていました。勝因は展開に尽きますが、展開をつくるのも実力。外からのプレッシャーにも動じない馬の精神力、インに閉じ込められるリスクも恐れず終始内ラチぴったりを回ってきた鞍上の胆力が展開を引き寄せたのでしょう。

 大胆にして細心。横山典弘騎手は位置とコースを確保したばかりではなく、大舞台でもいつも通りの馬のリズムで走らせた。気分を損ねないように、余分な負担をかけないように。セオリーにこだわらず、馬の持てる力を引き出してきたベテランの真骨頂です。「喝采を受けようが、ヤジを浴びせられようが、私には同じことだ」と言ったのは伝説の英国騎手レスター・ピゴット。周囲の評価を気にせずわが騎手道を進む。その道の先に横山典にとっては3つ目のダービータイトルが待っていました。

 皐月賞を蹄の負傷(右前肢ハ行)で競走除外になりながら立て直した安田翔伍厩舎の手腕も称賛されるべきです。禍福はあざなえる縄のごとし。消耗戦となった皐月賞をスキップしてフレッシュな状態を維持できたこともプラスになりました。

 ジャスティンミラノはレース前から少し気負っていた。皐月賞時と違ってパドックでは最後まで2人引きで周回。返し馬は先出しでした。気負いがスタートの後手につながり、好位を取るため出していった分だけ掛かりました。レガレイラは展開に泣かされた。超スローペースを後ろからではどうにもなりません。競馬の神様は良い位置、良いコースを通った人馬だけにニッコリとほほ笑みました。(NHK解説者)

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