【クイーンS】伏兵レッドアネモス重賞初V!“大荒れ夏競馬”1番人気はJRA平地重賞10連敗

[ 2020年8月3日 05:30 ]

<札幌11RクイーンS>ゴール前の直線で抜け出して勝った)レッドアネモス(左)(撮影・千葉 茂)
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 牝馬G3「第68回クイーンS」が2日、札幌競馬場で行われ、11番人気の伏兵レッドアネモスが馬群から抜け出して重賞初制覇を飾った。初コンビで勝利に導いた吉田隼人(36)は15番人気アドマイヤジャスタで制した函館記念に続く2桁人気での重賞V。2着はビーチサンバで友道康夫厩舎がワンツー。1番人気スカーレットカラーは3着に敗れ、JRA平地重賞で1番人気馬は10連敗を喫した。2歳新馬戦は札幌で米国産馬バニシングポイント(牡=藤沢和、父タピット)が楽勝。ラストクラシックへ、藤沢和雄師(68)が大物を送り込む。

 函館に続く2桁人気での重賞V。吉田隼はゾーンに入っていた。11番人気レッドアネモスが馬群にできたスペースをさばいて伸びる。最後は外から迫った同じ友道厩舎のビーチサンバを3/4馬身抑え、左手で力強くガッツポーズを決めた。

 「うれしいですね。札幌では重賞を勝ってなくて、いい結果を出したいと思っていた。能力のある馬。結果を出せてホッとしている」。最内枠を最大限に生かした。藤田菜七子のナルハヤが逃げ、タガノアスワド、コントラチェックも続く。前半5Fは58秒2。ハイペースの中、中団のインでロスなく立ち回った。勝負どころでライバルが上がっていくが吉田隼は冷静にタイミングを待った。末脚を温存して伸びにつなげた。

 「枠も良く、理想的なところで運べた。敏感なところがある馬だが狭いところもこじ開けた。強かった」。波乱の続く夏競馬。宝塚記念以降、1番人気馬は平地重賞10連敗。うち、2桁人気が5勝で、2勝は吉田隼の騎乗によるものだ。美浦所属ながら栗東の調教にも頻繁に顔を出し、東西から信頼を置かれる36歳。情報量の多さが人気薄での快勝を引き寄せる。

 友道師は“2頭出しの人気薄V”に驚きの様子。「何もかもうまくいった。うまく乗ってくれた」。ここで結果が出なければダートのブリーダーズGC参戦のプランもあった。この勝利で芝路線を継続する。「ダートを走りそうな血統だから(笑い)。洋芝が合ったのだろう」。2頭出しといえば友道厩舎。重賞でのワンツーは18年神戸新聞杯以来だが、この時も同厩舎(ワグネリアン、エタリオウ)だった。

 次走は未定で2頭は、4日に放牧に出る。荒れる夏競馬だが吉田隼、友道師とも自分の仕事に徹して結果を出した。

 ◆レッドアネモス 父ヴィクトワールピサ 母マチカネハヤテ(母の父サクラバクシンオー)牝4歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・東京ホースレーシング 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績13戦4勝 総獲得賞金7999万4000円。

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