【札幌新馬戦】バニシングポイント 圧逃7馬身差V!藤沢和師ラストクラシックへ“大物現る”

[ 2020年8月3日 05:30 ]

<札幌5R新馬戦>スタート直後から先頭に立ち7馬身の差をつけて勝ったバニシングポイント(左端)(撮影・千葉 茂)
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 レジェンドトレーナー期待の大物2歳馬が破格のデビューVを飾った。良血馬ぞろいで注目された札幌5R新馬戦(芝2000メートル)をルメール騎乗のバニシングポイントが1番人気に応えて7馬身差逃げ切り。再来年2月に定年を迎える藤沢和師にとって最後となる来春のクラシックへ、力強く名乗りを上げた。

 途方もない勝ちっぷりだ。検量室に引き揚げたルメールがVTR画面を食い入るように見つめる。「ビッグベビー!全てが幼いけど素質も凄い。ビックリさせられた」。驚きの視線を向けた画面には手前(軸脚)をせわしなく替える芦毛の米国産馬が映し出されていた。直線では物見。それでも後続を馬なりで引き離した。「手前は替え通しだしトモ(後肢)も緩い。バタバタ走っているのに長くいい脚を使って加速した」と続けた。

 藤沢和厩舎にとってはクラシックに挑む最終世代の初勝利。「まだ若い走りだが調教からいいフットワークを見せていたからね。一息入れて秋の東京に行きたい」。レースは未定だが、クラシックにつながる2歳の中距離路線を歩んでいく。

 札幌で共に調教を進めてきた皐月賞馬エポカドーロの半弟キングストンボーイ(父ドゥラメンテ)は16日の札幌5R(芝1800メートル)でデビュー。世代随一の素質馬と評されるダービー馬レイデオロの全弟アルマドラード(父キングハメハメハ)は秋の東京デビュー予定。「目先の1勝より一生だよ。この馬の競走生活は長い。慌てずに行きますよ」。最後のクラシックへ、伝説の調教師が走り始めた。

 ≪ここ5年で1番星からG1馬2頭≫バニシングポイントは19年米キーンランドセプテンバーセールで150万ドル(約1億6000万円)で落札された。母アンライヴァルドベルは10年に米G1のブリーダーズCレディーズクラシックを制覇。全姉ユニークベラは米G1を3勝している。馬名の意味である「究極の到達点」を託せる素材だ。なお、藤沢和厩舎のここ5年の世代別一番星は15年スターオブペルシャ(7勝で引退)、16年ペイドメルヴェイユ(4勝で引退)、17年タワーオブロンドン(スプリンターズS制覇)、18年グランアレグリア(桜花賞&安田記念制覇)、19年モーベット(1勝クラス突破目前)などG1馬を2頭出している。

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2020年8月3日のニュース