【天皇賞・春】キセキ 落ち着き十分ラスト12秒1 武豊マジックへ「感覚大事に」

[ 2020年4月30日 05:30 ]

<天皇賞・春>単走で追い切るキセキ(撮影・亀井 直樹)
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 展開の鍵を握りそうなキセキは助手を背にCWコース単走で最終追い。直線を向き、走りたい気持ちをひたすら我慢。残り1F付近から自然とスピードを上げ、1F12秒1(5F66秒3)でまとめてみせた。出遅れた上に道中で一気に位置を上げてしまった前走・阪神大賞典(7着)を見れば、落ち着きが肝心なことは明白。そのポイントは楽にクリアした。「中間はゲート再審査、折り合いの部分をメインに調整してきた。状態は非常にいい。ユタカ・マジックでキセキを見たいですね」。角居師は馬名に引っかけて語った。

 角居師からバトンを渡された形の武豊の言葉も感触は悪くない。「自分が乗った時はさすがG1馬、という動きで状態の良さが伝わってきた。あまり先入観を持たず自分の感覚を大事にして乗りたい。スタートと折り合いが大きな課題。菊花賞馬でスタミナもあるし何とか実力を出してほしい」

 ゲート再審査と先週の追い切りの2度またがったレジェンドの言葉は非常に重要だ。出遅れるかも、と身構えれば馬に気持ちが伝わって出遅れるかもしれない。普段通りに振る舞った方がスムーズにスタートを切る可能性は高いだろう。それを踏まえての“先入観は持たない”だ。2度またがった感覚は、まさにG1馬の感覚。そこを本番までキープし、馬を信頼して誘導する。その先に17年菊花賞以来の白星があると考える。馬との会話を大事にして天皇賞・春8勝を積み上げた男。平成最初の春の盾を制したのは武豊(イナリワン)だった。令和初も同じ結果かもしれない。

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2020年4月30日のニュース