【天皇賞・春】フィエール完成形!春盾連覇へ「我慢」追いで盤石仕上げ

[ 2020年4月30日 05:30 ]

<天皇賞(春)>3頭併せで追い切る嶋田純次騎乗のフィエールマン(手前)(撮影・西川祐介)
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 伝統の古馬長距離王決定戦「第161回天皇賞・春」(5月3日、京都)の追い切りが29日、東西トレセンで行われた。昨年の覇者フィエールマン(牡5=手塚)はしっかり我慢を利かせ、理想的な併せ馬で盤石仕上げ。史上5頭目の天皇賞・春連覇へ、そして鞍上クリストフ・ルメール(40)は前人未到の天皇賞4連勝へ、歴史的ゴールがはっきりと視界に入った。同レースの枠順は30日に確定する。

 フィエールマンの最終追いのテーマはただ一点。「折り合い」だった。

 ウッドチップコースで、前からライバーバード(6歳2勝クラス)、ニシノコトダマ(4歳2勝クラス)、フィエールマン。3馬身ずつ等間隔の最後方を折り合って進んだ。4コーナーで外から接近。鞍上・嶋田(レースはルメール)が残り1Fで軽く促す。瞬時に加速した。ゴール寸前で前2頭を半馬身かわす、絵に描いたような併せ馬。5F65秒2~1F12秒1。最終リハは無事完了した。

 手塚師の表情も澄み切った空のように爽やかだ。「1週前が幾分、掛かり気味。その反省も踏まえ、うまく折り合いをつけられるよう3頭併せの最後から外を回って併入。先週に比べれば、はるかに折り合っていたし鞍上もいい感触だった」

 先週22日の1週前追いでは行きたがり、4角でパートナーを早々に抜き去ってしまった。重箱の隅をつつく程度の小さな課題だが、これが敗因ともなりかねない。しっかりと不安の種をつぶした。

 勇躍挑んだ昨秋の凱旋門賞(12着)でまさかの苦杯。帰国初戦の有馬記念(4着)は意外な6番人気。ファンの評価は分かれた。しかし、正攻法で勝ちにいく競馬を展開。優勝したリスグラシューを含め4角中団以下の馬が1~3着を占める厳しい展開の中、G1・2勝馬の威厳は示した。

 その後はノーザンファーム天栄(福島県)で充電を図り、3日に美浦帰厩。指揮官は「4カ月半空くということでオーナーサイドに打診し、いつもより早めに戻して乗り込めた。大人になっている。レースや調教後の反動がなくなり体幹がしっかりした」と目を細めた。

 3歳の菊花賞と昨春天皇賞。G1・2勝はいずれも京都の長丁場。「こちらが思っている以上に長距離適性がある。正攻法の競馬をしてもしっかり反応できる瞬発力と加速力がある。京都も相性がいい。全てアドバンテージ」と同師は熱く結んだ。バトンは史上初の天皇賞4連覇の偉業が懸かるルメールへと渡った。

 ≪史上5頭目V2なるか≫81年に勝ち抜き制度が廃止され、優勝馬の再挑戦が可能となった天皇賞・春。連覇に挑んだ馬は延べ12頭おり、メジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノ、キタサンブラックの4頭が連覇を決めている。ルメールと同様、天皇賞3連勝は武豊、和田が記録しているが4連勝なら史上初の快挙となる。

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2020年4月30日のニュース