【シンザン記念】カバ パワフル13秒5!母父ダンスインザダーク弔いVへ絶好

[ 2020年1月9日 05:30 ]

坂路併せ馬で追い切るカバジェーロ(右)、ニシノシロフネ
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 出世レースの3歳マイル重賞「第54回シンザン記念」が12日、京都競馬場で行われる。2日に死んだダンスインザダークを母の父に持つ1戦1勝カバジェーロ(牡=橋口)が出走予定メンバーで唯一、水曜追いを敢行。弔いVへ、絶好の動きを披露した。 シンザン記念

 カバジェーロとはスペイン語で「騎士」の意味だが、馬房の横に掛かる札には馬名の頭の部分を取って「カバ」。玄人はだしのカバの挿絵まで添えられ、厩舎スタッフに愛されていることがよく分かる。

 ところで「カバ最強説」をご存じか。カバは陸(おか)を走らせればウサイン・ボルトより速く、水中を泳がせれば時速60キロとサラブレッド並みだという。栗東のカバ君は他馬に先んじて坂路で追い切った。さすが電光石火の早業だ。

 早朝からの雨が勢いを増す。だが、カバ君にとっては、どうということはない。僚馬ニシノシロフネ(3歳未勝利)のペースに合わせながら、ゆったりラップを刻んだ。全くの馬なりのままラスト1Fで前へ。余力残しで4F56秒2~13秒5をマークして1馬身先着。雨で極端に重くなった馬場を考慮すれば合格点だ。

 酒井助手が語った。「馬なりでいいとの指示通り。ずっとパートナーを見ながら集中力だけ切らさないようにした。先週も時計を出しているし中2週になるので疲れを残したくなかった。乗った感じはメチャクチャいい」

 メンバー中、唯一の水曜追い。変則日程の影響で全休日となった7日にも申請を行って馬場入り。休まず調教をこなした。「一日でも多く乗れる。勝つためにやれることは全てやろうという(橋口)先生の方針です」と同助手は明かした。

 その指揮官にとっても重要な一戦。年明け2日、老衰による起立不能のため死んだダンスインザダークはカバジェーロの母の父。橋口師の父で元トレーナーの弘次郎氏が管理していた。当然、弔いVへの思いを胸に秘める。

 「1回使って動きに素軽さが出た。日に日に良くなっているのが伝わってくる。勝負根性を秘めるが従順な性格。距離は1F延びても対応できると思う」(同助手)。カバを思わせるスピードをここでも披露する。

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