【朝日杯FS】ベルジュール95点 すべての部位バランス良く整う「和」

[ 2019年12月10日 05:30 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

全ての部位が整い、「和」をイメージさせるレッドベルジュール
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 今年の漢字には「和」も有力候補に挙がっているそうです。令和の和。あるいは、チームの和。ラグビーW杯日本大会のチームスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」は流行語年間大賞に選ばれました。平和への願いもこの一文字に込められているのでしょう。和には「和らぐ」の他に「仲良くする」「整う」の意味があります。レッドベルジュールの最大の特徴も1文字で示すなら「和」。肩、首から背、トモ、尾に至るまで全ての部位がスムーズにリンクされ、バランス良く整っている。

 パワーみなぎる筋肉マンなのに美しく映ります。無駄のない造形が生み出す機能美です。下半身に目を移せば、腱が浮き立ち、蹄も左右均一。前後肢、上下半身のいずれもバランスが整っている。ディープインパクト産駒らしいアカ抜けた馬体です。

 ただし、立ち姿には少し力みが感じられる。胸を張ってきちっと立っていますが、頭の位置が少々高すぎ。耳に必要以上に力を入れながら、鼻をとがらせています。尾離れ(尾の付け根の力の入れ方)も良すぎる。もっと穏やかに立てる気性なら、朝日杯FSではなく、ホープフルSに矛先を向けていたかもしれません。現状ではマイルがベスト。来春、2000~2400メートルのクラシックディスタンスでも通用するかは気性次第です。距離延長に対応するには気性が和らぐ必要がある。サリオス同様に2戦2勝で重賞を制して、G1に駒を進めたレッドベルジュール。その馬体の特徴が「和」なら、気性の課題も「和」です。

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2019年12月10日のニュース