【前橋・寛仁親王牌】脇本時代だ!冷静にまくってG1連続V

[ 2018年10月9日 05:30 ]

第27回寛仁親王牌を制し胴上げされる脇本
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 脇本がG1連続V――。「第27回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の決勝戦は8日、前橋競輪場で行われた。レースは清水裕友の逃げを脇本雄太(29=福井・94期)がまくって優勝、賞金2890万円(副賞含む)を獲得した。脇本の寛仁親王牌優勝は初、G1優勝は8月平オースターに続いて2回目。なお2着は脇本マークの三谷竜生で2車単<5>―<7>380円は1番人気の決着だった。

 脇本が圧倒的な強さを見せてG1連続Vを飾った。

 7日の準決勝で上昇一途の山崎賢人を上がりタイム8秒8のまくりで完封した脇本は「いつも通りに走れば結果はついてくる」と自信を持って決勝戦に挑んだ。「自分でレースを組み立てたかったし(渡辺)一成さんの得意パターンにならないように」。前受けから運び残り2周半で上昇した渡辺一を突っ張り、打鐘で清水―柏野に叩かれたが「冷静に対応して」3番手から上がりタイム9秒1のまくりで完勝した。

 多くのファンに声援を浴びた脇本は表彰式で「(前橋は)思い出深いバンク。このバンクで優勝できてうれしいです」と喜びを語った。脇本がG1初の決勝戦に進出したのが10年の第19回寛仁親王牌。レースは村上義弘―市田佳寿浩の前で果敢に先行して市田のG1初優勝に貢献した。先行・脇本の原点の大会だった。

 今年の脇本の充実ぶりは著しい。5月・平塚ダービー決勝3着、6月・岸和田高松宮記念杯決勝2着、8月・平オールスター優勝。今大会も断然人気の中で力を出し切り、そして結果を出した。20年の東京五輪で「金メダルを獲ること」を目標にハードな練習をこなすことで進化を続けているのだ。

 自転車競技の日程のため次のG1小倉競輪祭(11月20〜25日)の出場は「10月の終わり頃には分かると思います」の予定。今後は「自分にはまだ強くなる要素があるし、修正しながらグランプリを目指していきたい」。グランプリ2018のレースの流れを支配するのが脇本であることをさらに印象づけた。

 ◆脇本 雄太(わきもと・ゆうた)1989年(平元)3月21日生まれ、福井県福井市出身の29歳。県立科学技術高卒。08年7月プロデビュー。通算成績は717戦253勝。通算取得賞金は4億3632万円。主な優勝は第61回オールスター競輪(18年)、第27回寛仁親王牌(18年)。1メートル80、82キロ。血液型A。

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