【フローラS】ワルキューレ樫切符ゲット 最後方から重賞初V

[ 2018年4月23日 05:30 ]

<東京11R フローラS>M・デムーロを背にフローラSを制すサトノワルキューレ(左)。2着は中央のパイオニアバイオ、3着は右のノームコア
Photo By スポニチ

 史上最速でJRA通算1600勝を決めたディープインパクト産駒が東西で躍動した。オークストライアル「第53回フローラS」は22日、東京競馬場で行われ、M・デムーロ騎乗の1番人気サトノワルキューレが最後方から末脚一閃(いっせん)。2連勝で重賞初Vを飾った。2着パイオニアバイオまでがオークス(5月20日、東京)の優先出走権を獲得。一方、京都メインの「第49回マイラーズC」はサングレーザーが中団から直線鋭く突き抜け、重賞2勝目。安田記念(6月3日、同)へ最高のスタートを切った。

 夢舞台まで一直線。デビューから一貫してオークスを目指してきたサトノワルキューレが、ライバルを一蹴する鮮やかな追い込みで樫切符を勝ち取った。

 他馬から半馬身遅れでゲートを出ると、M・デムーロはすぐさま愛馬との濃密なランデブーを選択した。先頭から13馬身ほど離れた最後方。二人だけの世界でじっくり脚をためた。そのまま16番目に4角を回ると、残り600メートルでゴーサイン。ダイナミックなストライドで大外からグングン伸びる。一頭、また一頭とかわし、力でねじ伏せた。

 この日の4勝目を挙げたデムーロは「スタートはいつもそんなに速くない。1コーナーでごちゃごちゃすると危ないので内枠は気になったが、長く脚を使うから東京は良さそうと思っていた。自信を持って乗った」と満面の笑み。愛馬に絶対の信頼を置くからこその最後方一気だった。「2000メートルはちょっと短いと思った。前走も凄くいい脚を使っているし長い直線は合う」と400メートル距離が延びる本番への手応えも十分。

 一方、自信満々の鞍上と対照的だったのはホッとした表情を浮かべた角居師。「出遅れて道中はずっと大丈夫かなと思って見ていた。まずはオークスを使えないことには。直線で伸びてくれて良かった」と胸をなで下ろし、最後に一つ課題も付け加えた。「使いながら体が減っているのは気にすべきこと。デビュー時はカリカリしていたのが、だんだん落ち着いてきてはいる。本番に向けて体を膨らませてあげたい」。オークスへ向け1カ月で2度の関東遠征となるため、鍵は馬体重のキープになる。

 フラワーCを勝ったカンタービレと、オークスは2頭出しになる角居厩舎。カンタービレもM・デムーロ騎乗だけに、本番でどちらの手綱を握るのかも気になるところ。同レース2勝の名指揮官の次の一手に注目が集まる。

続きを表示

2018年4月23日のニュース