【中道善博 名腕の目】冷静だった渡辺英 明暗分けた“ウネリ”

[ 2018年4月23日 05:30 ]

優勝戦の1周目2マークを先頭で回る渡辺英児(2)
Photo By 共同

 博多の水面は、本当に難しいということを思い知らされたファイナルでした。そうです、ここで勝負の行方を左右するのは“ウネリ”に他ならないからです。

 1号艇の今やん(今村豊)は最高のスタートを決めました。先マイして当競走4Vは決まったかに思われましたが、1Mでウネリが出現。まさに今やんは足元をすくわれる形となりました。ツケマイで攻めた市川もウネリの影響を受けて横流れ。一方で、そのウネリの恩恵にあずかったのが渡辺英です。今やんが振り込み、その水しぶきを受けながらも冷静に対処。うまく差し抜けました。

 今節は渡辺英の冷静沈着なプレーが光りました。その最たる例が準優です。野添にまくられて1Mは厳しい形になりましたが、クルッと回して驚異の踏ん張りで抜け出してみせました。エンジンがウネリに負けない強出足型に仕上がっていたことも幸いしましたが、福岡で好成績を残しているだけのことはある芸当でした。よほど、博多の水面との相性がいいということなんでしょうね。

 ウネリに負けた今やんでしたが、今大会を大いに盛り上げたのは何を隠そう彼です。拍手を送りたいです。そして、久しぶりのG1優勝を決めた渡辺英は48歳と、まだまだこれからの男です。余談ですが、21年前の浜名湖周年記念優勝戦では私も乗っていました(4着)。来年3月の戸田クラシックの出場権も得たので、次はSG優勝を目指してほしい。(本紙評論家)

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2018年4月23日のニュース