【菊花賞】クリンチャー絶好枠!Vトレンドの「内」に師も笑顔

[ 2017年10月20日 05:30 ]

菊花賞は絶好枠(4)番に入ったクリンチャー
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 3冠最終戦「第78回菊花賞」の出走馬、枠順が19日に確定した。(4)番以内の馬が5連勝中と内枠有利な長距離戦。絶好枠(4)番に入ったクリンチャーに一発ムードが漂う。また、この日の朝には栗東トレセンの芝コースで(10)ベストアプローチが木曜追い。岩田を背に素軽いフットワークで駆け抜けた。同レースは20日、関西地区ではウインズ梅田、ウインズ難波で富士ステークスともども金曜発売される。

 12年以降、菊花賞馬5頭の馬番は1→3→2→4→3。09年には(1)→(3)番(人気は8→7)のワンツー決着で3連単の配当は31万円超え、08年にも(1)番に入った15番人気の伏兵が2着に飛び込み、3連単52万円オーバーの波乱を演出した。

 19日午後2時すぎ、栗東トレセン投票所で枠順を確認した(4)クリンチャーの宮本師が満面に笑みを浮かべた。「いい所に入った。ジョッキー(藤岡佑)も“内ピッタリを回りたいから内枠が欲しい”と言っていたし希望通り」とご機嫌だ。

 よほど外差しの馬場にでもならない限り、内が有利な淀3000メートルの舞台設定。距離が長い分、外枠でも“道中でリカバリーできる”と思われがちだが、実際はそうでもない。スタートして内の経済コースを取り、折り合いに専念するのが、近年の“菊Vトレンド”だ。

 クリンチャーはデビュー2戦目の未勝利を最下位14番人気でV(単勝244・8倍)。皐月賞も13番人気ながら先行して見せ場十分の4着に粘った。今回も伏兵扱い濃厚だが、G1でも通用するポテンシャルは秘めている。急仕上げだった秋初戦を叩いて、状態はアップ。指揮官は「追い切りの動きも良かったし、1回使って雰囲気が変わった」と前走のセントライト記念9着から一変を示唆する。

 先週の秋華賞は14番枠のディアドラが制したが、道中で内ラチ沿いに導いた名手ルメールの“神騎乗”によるもの。2〜7着馬の馬番は(7)(4)(2)(8)(3)(1)と、内枠勢が上位を占めた。今や「内枠有利」は世界的な競馬の主流。今秋のフランスG1凱旋門賞で馬券に絡んだ3頭のゲート番は、2→3→1(18頭立て)だった。

 勝負事には運も必要。指揮官は「パワーがあるから道悪は大丈夫。折り合いは心配ないし、距離もこなせると思う」と力強く締めくくった。“決定打”を意味する馬名通り、クラシック最終戦をモノにしてみせる。

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2017年10月20日のニュース