【天皇賞・春】キズナ53秒5 武豊が復活太鼓判「文句なしに速い」

[ 2015年4月30日 05:30 ]

武豊を背に坂路を軽快な動きで駆け上がるキズナ

 今秋の凱旋門賞再挑戦の前に、まずは日本最強を証明する――。天皇賞・春の水曜追いが29日に行われ、キズナ(牡5=佐々木)が栗東坂路で人馬一体の動きを見せた。騎乗した春秋合わせて天皇賞11勝の“盾男”武豊も「この日の53秒5は文句なしに速い」と好仕上がりを約束。昨年4着に敗れ、故障が判明した舞台で返り咲いてこそ千両役者。完全復活への準備は万全だ。

【天皇賞・春】

 坂路での最終追い切りも人馬一体だ。ラスト200メートルすぎ、武豊が軽く仕掛けるとダイナミックなフォームに変化。力強く駆け上がり、時計は4F53秒5をマークした。武豊は「気持ち良さそうに走っていたし凄くいい感じ。馬場は重たかったけど、思ったより時計は速かった。ここ2走よりも動ける態勢になっている」と好感触を口にした。

 2年前のダービーを制したスターホースは昨春の天皇賞(4着)後、左第3手根骨骨折が判明。今年2月の京都記念で復帰したが3着、前走の大阪杯も牝馬のラキシスに差し切られて2着に敗れた。「前走も走り自体は悪くなかったが、キッチリ勝たないといけないレースだった」と悔しそうに振り返った。

 1年前のリベンジとともに“完全復活”の期待が懸かる舞台。その任務は天皇賞11勝(春6勝、秋5勝)の“平成の盾男”こと、武豊の手綱に委ねられている。春は89年から92年(イナリワン→スーパークリーク→メジロマックイーン→メジロマックイーン)まで4連覇の偉業を達成。06年はキズナの父ディープインパクトで3馬身半差の快勝、3分13秒4のレコードをマークした。今回は息子とのコンビで、9年ぶり7度目の勝利を狙う。「昨年も走っているしコースは問題ない。高速の馬場はキズナのスタイルに向いているとは思わないが、今さらスタイルを変えるつもりもない。思い切って乗りたい」と率直に意気込みを語った。

 今秋には、世界最高峰のフランスG1・凱旋門賞への再挑戦が待っている。その前に国内のタイトルを積み上げておきたいところ。「日本の最強馬として胸を張って行きたいし、天皇賞で結果を出さないといけない」と力を込めた。何より強いキズナの走りを、多くのファンが待ち望んでいる。

 武豊は「自分にとっても大きなレース。勝つところを(ファンに)お見せしたいと、誰よりも思っている」と締めくくった。伝統の一戦をモノにして、まずは日本最強を証明する。

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2015年4月30日のニュース