【高松宮記念】ストレイトガール 6歳心身充実、4馬身先着12秒1

[ 2015年3月26日 05:30 ]

坂路で追い切られ、軽快な走りを見せたストレイトガール

 悲願のG1タイトル奪取へ――。G1「第45回高松宮記念」の最終追い切りが25日、美浦、栗東トレセンで行われた。昨年の3着馬・ストレイトガールは坂路で岩田を背に抑え切れない手応えを見せ、絶好の仕上がりをアピールした。

 昨年3着のストレイトガールは朝一番の坂路で岩田を背に最終調整。ダノンムーン(6歳1000万)と併せ、しまいまでいっぱいに追われ4F51秒3~1F12秒1。鞍上が抑え切れないほどの手応えで追走すると、ラスト1Fでエンジン点火。ゴーサインに鋭く反応してラストは僚馬を4馬身、楽々と突き放した。低い重心から体全体をバネのように弾ませ力強く登坂した。

 2週続けて稽古をつけた岩田は「時計も出ていたし、体つきもしっかりとしてきた。何より馬が落ち着いているのはいい。去年のこのレースもスプリンターズS(2着)も馬場が悪かった。力はある馬なので、あとはどれだけ馬場が味方してくれるか」と話した。

 これまでは速い時計を出すと体が減ってしまうため、当週はオーバーワークにならないような調整だった。それが今回は初めてレースの週に主戦の岩田が手綱を取り、熱のこもった稽古を消化。担当の田中博助手は「今は食べたものが実になって体に張りが出てきた。体質が強くなっていろいろな面で心配しなくて良くなった」と心身の充実ぶりを語った。6歳を迎えたが陣営は無理遣いをせず、ゆっくりと成長を促してきたことが今の礎を築いている。

 馬場、コースを問わず一戦一戦、持てる力をフルに発揮しようとする“全力ガール”。小柄な馬格からは想像もできないほどの勝負根性で、一線級の牡馬と堂々の競馬を繰り広げてきた。「以前は速いところをやると体が減ってピリついていたが、去年は一年を通してそれがなかった。今は牡馬並みのメニューをこなせています」と同助手は仕上がりの良さに胸を張る。

 馬混みで器用に立ち回り、位置取りを問わないレース巧者。昨年出走したスプリントG1は3、2、3着。自慢の末脚で悲願のタイトルへあと一歩まで迫った。初の海外遠征だった前走の香港スプリントでも日本馬最先着の3着。今回は同レースを逃げ切った香港馬エアロヴェロシティとの再戦になる。岩田は「今回は前に行く馬が何頭かいるし、前走みたいにはならないと思う」と巻き返しを期す。少女から淑女へ、円熟味を増した走りで頂点を狙っていく。

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2015年3月26日のニュース