【天皇賞・秋】ジェンティル 坂路で上々52秒9“気合乗りが違う”

[ 2014年10月30日 05:30 ]

坂路でパワフルなフットワークを見せるジェンティルドンナ

 まだまだ若い者には負けられない!古馬の意地で返り討ちにしてみせる!!3歳馬イスラボニータを迎え撃つ東西の両横綱、東のフェノーメノと西のジェンティルドンナが貫録の調教を披露した。いずれも休み明けでのG1参戦となるが、仕上がりに不足はない。最終追いは両者共に余裕たっぷり。“さすがは歴戦のつわもの”と思わせる動きを見せた。

【天皇賞・秋】

 休み明けを言い訳にできない。G1・7勝目を狙うジェンティルドンナが坂路単走で力強い動きを見せつけた。序盤の2Fは14秒1、13秒7とゆったりしたラップ。ジワッと加速して3F目に12秒6を刻むと、しっかり追われたラスト1Fは12秒5でフィニッシュ。テンから負荷を掛けていないことを考慮すれば、4F52秒9なら上々。何より5歳秋を迎えながら、持ち前のパワフルなフットワークに全く陰りが見えないことが心強い。

 騎乗した井上助手は「やれば51秒ぐらい出るけど、道中セーブしたからね。先週しっかりやっているし、これで十分。元気いっぱいです。いつもそうだけど、調教では久々を感じるところはありません」と出来の良さをストレートに伝えた。

 9月9日に帰厩。同じく久々だった昨年の天皇賞・秋と同様、坂路で7本の時計をマークしてきた。2週前と1週前には初コンビの戸崎が騎乗。ジョッキーが騎乗したことで、休み明けだと薄れがちな闘志もかき立てられている。石坂師は「時計的にもいいし、競馬が近いと感じたのか気合が乗ってきました。いつも順調でいいですよ…と言っているが、今回はいつもより気合乗りがいい。いい意味で違うなと思いますね」と証言した。

 これなら実績の出ていない久々でも好勝負できるはずだ。古馬になって以降、レース間隔が2カ月以上空いた時は(2)(3)(2)(6)(9)着。確かに結果はひと息だ。しかし連対を外した3戦、宝塚記念2回と京都記念に関しては、馬場が悪かったことが敗因とも考えられる。

 石坂師は「確かに休み明けが良くないと考えることもできる」と前置きした上で、「だからといって、G1以外をそう簡単に使うことができない馬。休み明けだから負けました、とは言えません」と断言する。そこには愛馬の能力への絶大なる信頼がある。

 「G1・7勝目というよりは、この天皇賞・秋を何とか勝ちたい、去年2着の悔しい思いを晴らしたいと思っています」。来春からの繁殖入りが決まっており、現役ラストとなる秋シーズン。一つも負けられないという覚悟で、最初の戦いに挑む。

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2014年10月30日のニュース