【天皇賞・秋】イスラボニータ飛んだ!ルメール絶賛「ディープだ」

[ 2014年10月30日 05:30 ]

ルメールが騎乗し、トウカイチャーム(奥)と併せて追い切るイスラボニータ

 3歳馬の盾獲りだ!「第150回天皇賞・秋」(11月2日、東京)の最終追い切りが29日、美浦・栗東トレセンで行われ、皐月賞馬イスラボニータが出色の伸び脚を披露した。フェノーメノに騎乗する蛯名に代わって、初コンビを組むクリストフ・ルメール(35=フランス)も手放しで絶賛した走り。12年ぶりの3歳馬優勝が近づいた。同レースの枠順は30日に確定、馬券は31日、都内ウインズ新橋・後楽園で金曜発売される。

【天皇賞・秋】

 日本を代表する3歳馬の走りはフランスのトップジョッキーも興奮させた。「凄いフットワークだ。まるで宙の中を駆けているような乗り味。地面に脚をつけている感じがしないんだ」。ルメールが紅潮した顔でイスラボニータの追い切りから引き揚げてくる。「横山(典)さんに“チーターの走りに似てないか?”って聞かれたけど、以前にも確かこんな走りの競走馬がいたような…」と記憶の糸をたぐらせたルメール。「そうだ、思い出した。ディープインパクトだ!」。9年前の有馬記念。ハーツクライに騎乗し、初めて土をつけた無敗の3冠馬の名を口にした。

 イスラボニータの最終追い切りは美浦Wコースでの併せ馬。向正面で先行したトウカイチャーム(6歳500万)との差はおよそ15馬身。直線入り口でもまだ10馬身。「あんなに離されて届くわけがない」。公開調教で競馬ファンの詰めかけたスタンドがざわめいている。チーター走法にも、ディープインパクトにも似たストライドを繰り出したのは、その直後だった。可動域の広い関節を生かして両前脚を水平に伸ばすと、インから黒鹿毛の馬体を並びかける。馬なりのまま1馬身突き放した。

 「ラスト200メートルは素晴らしいの一語に尽きる。かなり離されていたのに、仕掛けた瞬間にビュンだもの」と驚きの言葉を継いだルメール。「しかも、道中はとてもリラックスしているんだ。凄い、凄すぎる。どこで何をすべきかを分かっている。この馬が大好きになった」

 皐月賞圧勝、ダービー2着、秋初戦・セントライト記念はノーステッキで楽勝。イスラボニータのレースぶりは、取り寄せたVTRでチェック済み。「距離のマックスは2400メートルだろう。2000メートルなら初の古馬相手でも劣る面は一つもない。僕も東京競馬場を熟知しているが、馬はそれ以上に知っているだろう」。史上4頭目となる3歳馬の盾獲り。フランスの名手の胸に広がるのは歴史的Vの予感だ。

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