【オールカマー】父に届け!マイネルキッツ、激走誓う

[ 2012年9月20日 06:00 ]

【オールカマー】松岡騎手を背にしたマイネルキッツ(左)

 マイネル、コスモの冠名で知られるビッグレッド軍団が、ひと足早く万全のリハーサルを終えた。3日間開催明けの変則日程で、重賞出走予定馬の大半が木曜追いを選択する中、「オールカマー」組では09年春の天皇賞馬マイネルキッツが水曜追いを敢行、力強く復調をアピールした。コスモラピュタ、コスモファントムもオーナーサイドの方針で追い切り、軽快な伸び脚を披露した。

【オールカマー】

 今春とは見違える脚力だ。トレードマークの白いシャドーロールがリズミカルに揺れる。馬名入りのG1優勝ゼッケンも誇らしい。マイネルキッツがすさまじい闘志を発散させ、10馬身先行したマイネルレーサー(3歳未勝利)に内から馬体を並べた。松岡の右ステッキが容赦なく飛ぶ。力でねじ伏せるように1馬身突き放した。

 「疲れが残っていた春当時と比べ、乗り味も反応もいい。特に左トモ(後肢)の踏ん張りが春よりも利く。まだ絶好調とは言えないが、いい頃の迫力が徐々に戻ってきた」。引き揚げてきた松岡は慎重に言葉を選びながら復調の手応えを口にした。見届けた国枝師も同じ評価だ。

 「馬体の張りがまだ物足りないが、春よりも良くなっているのは間違いない」

 9歳となった今年はダイヤモンドS(10着)、日経賞(9着)とも見せ場すらつくれず大敗。昨年暮れ、スタミナを消耗する不良馬場のスポニチ賞ステイヤーズSを激闘の末に制した疲れが残っていた。陣営は2度目のVが懸かった今春の天皇賞を断念、北海道・新冠のビッグレッドファームでの完全休養を選択した。「リフレッシュ効果を感じさせる動きだった」と松岡。休み明けに実績はないが、3週連続で併せ馬を消化するなど調教量は豊富だ。

 国枝師と言えば、マツリダゴッホで07~09年のこのレースを3連覇。勝ち方は知っている。キッツの父、チーフベアハートは18日に世を去った。代表産駒・キッツへの期待は大きい。「手向け走?そうなればいいね。目標のステイヤーズS(12月1日、中山)へ向けていい競馬をしたい」と国枝師。「終わった馬だと思われたくない」。松岡も天皇賞馬の復活を強く願っている。

 ≪父が死ぬと子が走る≫父が死ぬと子が走る。競馬の世界では鉄板の説だ。今年6月9日、起立困難となって死んだ種牡馬マイネルラヴ。その日に阪神の新馬戦で産駒カオスモスが快勝。2週後の23日にはエターナルムーンが函館の2歳未勝利をV。トラストワンは500万→1000万特別を連勝した。ダンツミュータントは父が死んだその日に2着。その後、2、2、1、1着と全く崩れていない。チーフベアハート産駒も今後、活躍があるか注目だ。

 ≪軍団でビッグ配当約束≫3頭追い切りそろい踏みで上位独占を目指すマイネル&コスモ軍団。過去10年の重賞で1、2着独占は4回ある。04年ダービー卿CTは7番人気マイネルモルゲン→5番人気マイネルソロモンの決着で馬単1万4720円。10年新潟2歳Sは、9番人気マイネイサベル→10番人気マイネルラクリマで決まり、馬単6万7100円。高配当演出が目立つ。マイネルキッツ・国枝師はオールカマーは7戦3勝(全てマツリダゴッホ)と相性は抜群。同軍団のオールカマーはコスモバルクでの06年2着が最高だが、今年こそVを手にするか。

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2012年9月20日のニュース