“2歳チャンプ”父の前で輝く/函館2歳S

[ 2008年8月6日 06:00 ]

伊藤圭厩舎の悲願、函館2歳S制覇に挑むメジロチャンプ

 頼もしいパートナーに導かれ、函館2歳チャンプの座はもらった。函館開催を締めくくる「函館2歳S」(10日)で2歳世代初重賞Vを狙うのがメジロチャンプ。手綱を取る安藤勝己騎手(48)は今夏の函館リーディングを独走。レース当日には父メジロライアンが来場するというタイミングの良さ。激走の予感が漂う。

 ラベンダー賞でワンツーを決めたナムラミーティア、ベルシャルルを筆頭に牝馬が圧倒的優位に立っている今年の函館2歳Sだが、牡馬勢も負けてはいられない。逆転を狙うのが上昇一途のメジロライアン産駒メジロチャンプだ。デビュー戦は4角先頭で2着に2馬身半差をつける危なげないレースぶり。函館芝1200メートルの勝ち時計1分11秒2はやや平凡だったものの「レース前にびっしり追っていないし馬体にも余裕があった。七、八分の仕上がりであの内容なら上々」と伊藤圭師は振り返る。
 前走後は生まれ故郷のメジロ牧場に戻され、施設内の坂路で調整。7月30日に函館に再入厩した。「牧場でも精力的なメニューをこなしていたし、乗り込み量は十分。直前にサラッとやれば大丈夫」と臨戦態勢は整っている。デビュー戦に比べて馬体も引き締まると同時に、落ち着きも出てきた。「まだ素質だけで走っている分、先々まで楽しみな馬」と陣営は将来性にも大きな期待を懸けている。
 手綱を取る安藤勝にも注目だ。今夏の函館で先週までに23勝を挙げ、開催リーディングを独走。勝利数はもちろん連対率、3着内率も断トツ。3着内率は驚異の5割超えで、2回に1回は馬券に絡んでいる計算になる。今夏の函館で最も信頼の置けるパートナーと言える。
 函館で2歳馬をデビューさせることが多い伊藤圭厩舎。函館2歳Sが現行条件となった97年以降に9頭を挑戦させたが、05年ラッシュライフの2着が最高成績。何としても欲しいタイトルだ。レース当日にはファンイベントで父メジロライアンが競馬場に来場する。父の目の前で厩舎悲願の“2歳チャンプ”の座を獲得したいところだ。

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2008年8月6日のニュース