365日 あの頃ヒット曲ランキング 5月

【1999年5月】月と太陽/存続か?即解散か?太陽とシスコムーン 崖っぷちスタート

[ 2011年5月19日 06:00 ]

太陽とシスコムーンのメンバー(後列左から時計回りに)ソウル五輪体操代表の信田美帆、中国生まれのRuRu、民謡小湊会3代目家元の小湊美和、元大阪パフォーマンスドールの稲葉貴子
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 ★99年5月ランキング★
1 HEAVEN’S DRIVE/ラルク・アン・シエル
2 Grateful Days/Dragon Ash
3 LOVE~Destiny~/浜崎あゆみ
4 Let yourself go,Let myself go/Dragon Ash
5 月と太陽/太陽とシスコムーン
6 I・HIP HOP/Dragon Ash
7 バンビーナ/布袋寅泰
8 I’LL BE/Mr.Children
9 自由であるために・Yo!You!!/V6・Coming Century
10 真夏の光線/モーニング娘。
注目最後の果実/深田恭子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【月と太陽/太陽とシスコムーン】

 「デビュー曲がオリコンチャート初登場で6位以内に入らなければ即解散」という、スタートから前代未聞のハードルを用意された女性4人組。4月21日に「月と太陽」のシングルCDが発売されると、最初のランキング発表となった5月3日付で、週間推定6万4930枚を売り上げ、堂々4位に。グループ存続が決まると、今度は6月から4カ月連続で新曲を発表するというこれまたハードな課題が用意された。

 テレビ東京系オーディション番組「ASAYAN」の再起企画「芸能人ユニットオーディション」で500人の中から選ばれた8人が米サンフランシスコで40日間、「サンフラン」「シスコムーン」の2つのグループに分かれ合宿。その結果、さらに4人に絞られユニットが結成された。

 同番組から出た「モーニング娘。」の生みの親、つんく♂がプロデュース。その背景から6位以内は堅い、との見方もあったが、4月21日発売の新譜はラルク・アン・シェル「HEAVEN’S DRIVE」、Misia「BELIVE」(12センチ)、TUBE「ひまわり」など“強敵”がひしめきあっていた。即解散という強烈なインパクトがあり「半ば同情票もあったのでは」とつんく♂。ともあれ、難題をクリアし、次へのステップへと歩みを進めることができた。

 それぞれ過去からの脱却を図ろうとオーディションにチャレンジした4人だった。元ソウル五輪体操の日本代表だった信田美帆は「体操をやめたら何もできないと思っていた人へのリベンジ」、大阪パフォーマンスドール出身の稲葉貴子は「芸能人として迷える状況を打破したかった」、少年少女民謡大会で2度優勝し民謡小湊会3代目家元の小湊美和は「民謡で生きていくと、勝手に自分の限界点を自分自身で決めていたことへの挑戦」、中国遼寧省出身でKDDIイメージキャラクターを務めるRuRuは「中国大陸出身者は日本では成功しないという偏見をなくしたかった」。
 目的も経歴も全く違う4人。年齢も20代後半のメンバーもおり、若手アイドルというくくりが当てはまるとは言いづらかったが、芸能界で生き抜いていこうとする姿勢は共通していた。それだけに、たくましさはモー娘。以上の迫力があった。

 翌2000年10月で解散。09年に再結成ライブを開いた。

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