365日 あの頃ヒット曲ランキング 5月

【1985年5月】ふたりの夏物語/わずか3日で完成 オメガトライブ最大のヒットも…

[ 2011年5月26日 06:00 ]

夏のイメージがピッタリだった「杉山清貴&オメガトライブ」の杉山清貴
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 ★85年5月ランキング★
1 ボーイの季節/松田聖子
2 にくまれそうなNEWフェイス/吉川晃司
3 常夏娘/小泉今日子
4 ふたりの夏物語/杉山清貴&オメガトライブ
5 BOYKのテーマ/菊池桃子
6 ミ・アモーレ/中森明菜
7 あの娘とスキャンダル/チェッカーズ
8 スクール・ガール/C―C―B
9 あなたとハプニング/石川秀美
10 Summer Beach/岡田有希子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

 【ふたりの夏物語/杉山清貴&オメガトライブ】

 夏の代名詞的なバンド「TUBE」のデビュー直前、夏といえばこのバンドて言われていた杉山清貴&オメガトライブの5枚目のシングルにして、38万枚の売り上げた最大のヒット曲。

 オメガトライブは83年のデビュー曲の「SUMMER SUSPICION」、84年のサードシングル「君のハートはマリンブルー」と「1枚ごとにしかヒット曲が出ない」というジンクスがここまであったが、5枚目もその例外に漏れず、夏を前にした5月にヒットチャート上位にランキングされた。

 日本航空の夏のキャンペーンソング。先にキャッチコピーとして「ふたりの夏物語」というのがあって、それに合わせて康珍化が作詞、林哲司が作曲。曲が計2日で出来上がると、コンサートツアー中の杉山と5人のメンバーは1日でレコーディングを済ませたという早業で完成させてしまった。

 「ふたりの…」が順調にヒットしていた最中の5月29日に6枚目の「サイレンスがいっぱい」をリリース。入れ替わるようにオリコンチャートのベスト10に入りし、杉山も私生活では結婚し、まさに順風満帆だったが、ここで杉山から「バンドを解散したい」という爆弾宣言が飛び出した。マスコミ向けに発表した当時の談話は「グループとしてやりたいことはやり尽くした」という理由だった。
 
 良くも悪くも杉山の“ワンマンバンド”。デビュー曲から好スタートを切り、ヒット曲が立て続けに出るようになったことで逆に「本当にやりたい音楽は何なのか」と杉山は考えはじめ、「夏=オメガトライブ」というイメージからの脱却を図りたいと思うようになった。

 形としては杉山一人がバンドから抜けるという形で独立。85年12月24日の横浜でのコンサートを最後に解散。杉山はソロとして、オメガトライブは1年後に、ブラジル日系人のカルロス・トシキを新ボーカルに迎え「1986オメガトライブ」として再出発した。

 杉山清貴&オメガトライブは日本テレビ系のレコード会社「バップ」に所属していたが、当初2年間、ヒット曲がなかった同社にとって初めて“売れたバンド”がこの6人組だった。 

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