2016年NHK大河ドラマ「真田丸」

「真田丸」豊臣秀次好演の新納慎也 「ミュージカル界の異端児」と三谷幸喜氏の絆

[ 2016年7月8日 05:30 ]

「真田丸」で豊臣秀次を好演する新納慎也(C)NHK
Photo By 提供写真

 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で、豊臣秀吉のおい・秀次役を好演している俳優の新納(にいろ)慎也(41)。これまで舞台を中心に活動し、個性的な存在感から「ミュージカル界の異端児」と呼ばれる。脚本を手掛ける三谷幸喜氏(54)に才能を認められ大河出演が決定。新納は「僕の人生を変えてくれる人」と三谷作品に関わる喜びを口にした。

 新納はこれまで舞台を中心に活動してきた俳優だが、実は注目を浴びるきっかけとなったのはNHK-BS2「にこにこぷんがやってきた!」のうたのおにいさんだった。97年から2年間務め、NHKの出演は実に17年ぶりとなる。大河について「縁がない仕事だと思っていました。日本で役者をやっている人たちにとって大きな目標であり、名誉ある経歴の一つになると思うので信じられなかったです。オープニングで自分の名前が出たときは写メを撮りました」と笑顔で語った。

 1991年、モデルとして芸能界入り。94年から舞台俳優として活動を開始。舞台の仕事は毎年絶えず、通算50ステージ以上に立ってきた。07年、三谷氏に声を掛けられ「恐れを知らぬ川上音二郎一座」に出演。09年には再び出演依頼を受けてSMAPの香取慎吾(39)主演「TALK LIKE SINGING」で念願のオフ・ブロードウェイデビューを果たす。「メールでのやりとりが多いメル友です」と冗談を言うが、新納の三谷氏に対する尊敬の念はずっと変わらない。

 「僕の役者人生において“ここぞ”というときに三谷さんがすごく素敵なオファーをしてくれる。日本のミュージカル界でブロードウェーの舞台に立った役者はそう多くないと思いますが、その機会をくださったのも三谷さん。僕の人生の連結部分で『さあ、この道を進みなさい』と言ってくれる、人生を変えてくれる人です。ご本人はいつまでたっても僕のことを『新納さん』とさん付けで呼びます。『何とかですよね』と敬語なのですが、言っていることはガツガツしています」

 一時は秀吉の後継者となりながら、悲劇的な最期を迎えた秀次。「真田丸」では今までにない“いい人キャラ”の秀次が話題になっており、生涯最期の場面も衝撃的な新解釈で描かれる。「秀次が殺生関白になるとは思えないと三谷さんに話したら、『僕はウソだと思っています。そこを描くつもりはないです。ただただ飄々(ひょうひょう)と繊細に演じてください』と。秀次を演じる上で、その言葉が共通認識でありました」と撮影中のやり取りを明かした。

 10日放送の第27話(NHK総合は午後7時10分から)で関白・秀次は、再び男子が誕生した秀吉(小日向文世)に怯えて豊臣家の中で次第に孤立、悲運の道を進んでいく。クライマックスへ向け「バランス感覚が難しい綱渡りのようなキャラクターでしたが、真田丸の秀次らしい最期になった」と語り充実した表情を見せた。「ミュージカル界の異端児」が映像の世界で異彩を放つ。

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