2016年NHK大河ドラマ「真田丸」

浦上晟周「真田丸」堺雅人の息子熱演で注目、親子の距離感は「付き合いたての恋人」

[ 2016年11月13日 12:30 ]

「真田丸」で真田幸村の嫡男、大助を熱演する浦上晟周(C)NHK

 NHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)で俳優の浦上晟周(うらがみ・せいしゅう、16)が主演・堺雅人(43)演じる真田幸村の嫡男、大助を力演している。父・信繁が幽閉された九度山で新たな名を決める際に、くじで「村」と書かれた文字をひく“大役”を担った。史実では大坂の陣で幸村とともに勇猛果敢に徳川勢と戦い、若くして散った青年武将。現在、高校2年生の浦上が同年代として見た大助の生きざまや、堺ら真田家の面々との印象に残る撮影秘話を明かした。

◆嵐・櫻井主演「家族ゲーム」いじめられっこ役好演が話題に
 子役時代からドラマやCMで活躍する浦上。とりわけ注目を集めたのが嵐・櫻井翔(34)主演の「家族ゲーム」(フジテレビ、13年)で、いじめられっこ役の沼田茂之を好演。大きな反響を呼んだ。「真田丸」の大助役は激戦のオーディションで獲得。「緊張してカミカミだったので、受かった気がしなかった。大河は一つの目標だったので、後日、事務所に呼ばれて台本を渡されたときは本当に嬉しくて。『まさか!』という感じだった」と目を輝かせた。

 大助は九度山で生まれ、父・幸村に従って大坂に入城。幼いながら冬の陣と夏の陣の二度にわたって徳川と戦い活躍する。浦上は大助の人生を「波乱万丈。平和な場所で育ってきたが、急に行ったことのない世界に行って」と語り、大坂入城後の場面について「戦を経験したことがないから、大助は戦場で人が死ぬのをあまり想像できない。それを実感したときにどうなるのかなと、常々想像しながら演じていた」という。

◆仰天演出で「幸村」誕生 くじひく場面は「素のリアクションで臨もうと」
 血気盛んな青年ではなく、凛々しくて優しい雰囲気を持つ大助。これまでの出演で印象的な場面といえば、第40話「幸村」の“くじひき”。豊臣に味方することを決意した父・信繁が“くじ”をひいて新しい名前を名乗ることに。真田家にまつわるさまざまな漢字1文字が書かれた紙をつぼの中に入れ、大助が目をつぶって1枚ひき「村」という字を選び出す。口数少ない大助が、顔の表情だけで心の機微を表現した演技は視聴者の印象に強く残った。「台本を読んで口数少ない人物だなと。台本にはかぎかっこの中に、さらにかっこで『うれしい』と書いてあったり。感情表現するのが難しいなと思ったが、僕自身も台本を読んで幸村という名前を大助が決めることに驚いたので、きっと大助自身もこういう気持ちだったのだろうなと。共感できる部分があったのではないかと感じ、素のリアクションで臨もうと思った」と振り返る。

 現場では名だたる共演者から学ぶ努力も欠かさない。堺とスタッフのやり取りを例に挙げ「台本で一行でもやりにくい部分や、ここは矛盾してないかと違和感があったら、徹底的に話し合って流れがスムーズにいくようにしていた。役者としての姿勢を本当に尊敬している」と、得難い経験を積んでいると語った。

 自問自答しながら芝居に励む中で、現場で嬉しい反応もあった。第39話「歳月」の父子で囲碁を打つ場面。それまで大助は高梨内記(中原丈雄)が養育係・傅役(もりやく)だったため、父・幸村と若干の距離感があった。「撮影前に堺さんとじっくり話をさせていただいた。『付き合いたての恋人』みたいな感じがいいんじゃないかと。いままで幸村に育ててもらったわけではないから、互いにどう接すればいいのか分からないような感じで、二人で目線をキョロキョロしたりとか、目が合ったら外すようにしようと」とやり取りを明かし、「撮影後、目の動かし方が似ていると言ってくださる人がいて。それは嬉しかったです」と親子と認められた瞬間を喜んだ。

 13日放送の第45話「完封」では、いよいよ大坂の陣へ突入。大助も父とともに最前線で徳川を迎え撃つ。「いま生きているのが当たり前という価値観は変わった。昔は自分たちの年で戦場に出るのは当たり前。戦場で自ら命を絶った人がいたことを再認識するきっかけになったら」と青年武将の覚悟を熱く語った。

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