茨城の誇り取り戻す!音楽祭「LuckyFes」 昨年は約4億円赤字も3大フェスに肩を並べる夢

[ 2023年7月12日 05:08 ]

昨年の野外音楽祭「LuckyFes」開催時の様子
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 茨城・国営ひたち海浜公園で開催される野外音楽祭「LuckyFes」(15~17日)が成功を収めるか注目を集めている。同所で20年にわたり開催された「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」が千葉へと会場を移した昨年に「茨城のフェス文化の灯を消すな」を合言葉に初開催。しかし、4億円の赤字を残した。夢は「3大フェス」の仲間入り。プロデューサーに今年にかける思いを聞いた。(高原 俊太)

 「昨年の観客動員は2日間で2万人。今年は思い切って3日間で6万人を目標に掲げました。たった半年間の準備期間しかなかった昨年に比べて非常に感触がいい。ワクワクしています」

 こう語るのは、主催する茨城放送のオーナーで、同フェスの総合プロデューサーを務める堀義人氏だ。

 出演者は大黒摩季(53)らベテランから、私立恵比寿中学らアイドル、Creepy NutsやAwich(36)らヒップホップ勢、あの(年齢非公表)や新しい学校のリーダーズら若手と幅広い。初開催した昨年とは違い、今年は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられたため、入場者数を制限せず、観客にはマスク着用なども求めず、声援も許可する。「音楽と食とアートの祭典」をテーマにしたフェスで、堀氏は「公園内にいれば音楽が流れてきたり、アートがあったり、食があったり、テントで友達やファミリーで楽しく過ごせる環境をつくりたい」と意気込む。

 同公園ではコロナ禍前の19年まで夏に「ロッキン」の愛称で親しまれる「ロック・イン…」が開催されてきた。矢沢永吉(73)やサザンオールスターズ、B’zらトップアーティストが出演し、開催20年で計約360万人を動員した。しかし、コロナ禍で20年に続き、21年には本番わずか1カ月前に茨城県医師会に要請され中止に。主催者側はこれ以上の開催中止を避けようと“密”を回避できる広い千葉市蘇我スポーツ公園に昨年から会場を移した。

 堀氏は「ショックでした。茨城県は47都道府県の中で魅力度最下位が続きましたが、それでも“僕らにはロッキンがある”という誇りがなくなっちゃったわけですから」と当時を回想。そこで「指をくわえて何もせず過ごすのか、自ら開催するのか。うちらが主催するしかないと考えました」と地元のラジオ局として立ち上がった。

 昨年はロッキンと同じ快適な環境づくりを求めた結果、費用は7億4000万円。石井竜也(63)やPUFFYらが盛り上げたが、約4億円の赤字が生じた。一方で、観客や出演者の満足度は高く、堀氏は「フェスとしては大成功」と手応えは十分だったという。

 赤字も解消して名実ともに成功させ、茨城の誇りを取り戻す。その先に見据えるのはロッキンをはじめ、フジロックフェスティバル、サマーソニックの3大フェスに肩を並べること。今年も茨城で夏フェスの灯は輝く。

 ≪感染対策不十分で批判集まるフェスも≫コロナ禍では感染対策が守られなかった夏フェスに大きな批判が集まった。21年8月に愛知県常滑市で開催された「NAMIMONOGATARI」は観客がノーマスクで密着状態。酒類の販売もされ、大村秀章愛知県知事が「極めて遺憾」と批判した。同月に群馬県片品村で行われた「GLOBAL ARK」は、不織布マスクの着用をNGとするドレスコードを設けた。実際には着用を許可したが、その対応に批判が殺到した。

 ≪「魅力度ランキング」昨年最下位脱出≫茨城県は、民間調査会社のブランド総合研究所による地域ブランド調査の「都道府県魅力度ランキング」で、全14回中11回最下位に甘んじ、ブランド力アップに力を入れている。最下位を逆手にとって「のびしろ日本一。茨城県」というキャッチフレーズをつけたり「最下位弁当」を発売する業者も出て、話題となった。最新の昨年の調査では、2年ぶりに最下位を脱し、46位となった。最下位は佐賀県だった。

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