「鎌倉殿の13人」完結 識者も絶賛「トリック光るラスト」三谷大河初の勝者が主人公「孤独を描き切った」

[ 2022年12月19日 04:00 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」最終回(第48話)。床にこぼれた毒消し薬を舐めようと、這いつくばる北条義時(小栗旬)(C)NHK
Photo By 提供写真

 NNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終話が18日、放送された。来年の大河「どうする家康」で主演を務める嵐の松本潤(39)がサプライズ出演し視聴者を沸かせた。

 冒頭、鎌倉幕府の公式な歴史書「吾妻鏡」を読む男性が登場。その正体は、松本演じる徳川家康で「いよいよ承久の乱が始まるか。ドキドキしてきた。どうしよう…」とつぶやき、承久の乱などを描く本編が始まった。

 脚本を務めた三谷幸喜氏(61)は、2016年に担当した「真田丸」でも最終回で次作「おんな城主 直虎」を連想させるせりふを主演の堺雅人(49)に用意したことがある。今回は次作主演が登場するという前代未聞の演出だった。

 最後までサプライズの連続だった今作。最終回では、源頼朝死後の宿老の数と思われていたタイトルの「13人」にあったもう一つの意味も明らかになった。ラストは小栗旬(39)演じる北条義時が、姉の北条政子(小池栄子)と対峙(たいじ)。義時はもがき苦しみながら命果て、エピローグもないまま放送は終了した。約13分間続いた2人きりのシーンは圧巻だった。

 同志社女子大学学芸学部メディア創造学科の影山貴彦教授は「三谷脚本らしいトリックが光るラストだった」と絶賛。「新選組!」「真田丸」といった過去の三谷作品に対し、今回は初めて勝者を主人公にしており「義時はボロボロになりながら権力の頂点に上り詰めた。勝ち抜くことの苦しさや孤独を見事に描き切った」とした。

 小栗は「(義時は)かわいそうな男だった。だから最後の最後まで孤独を感じながら生きていかざるを得なかった」と、1年以上にわたって演じた役を愛情たっぷりに振り返った。

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月19日のニュース