豊島九段 王将リーグ残り3枠一番乗り 山崎八段に156手で勝利 今年も過密日程の秋に

[ 2022年8月12日 19:18 ]

7期連続13期目の王将戦挑戦者決定リーグ入りを決めた豊島将之九段※記者撮影
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 第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)2次予選の1組決勝が12日、大阪市福島区の関西将棋会館で指され、豊島将之九段(32)が山崎隆之八段(41)に156手で勝利し、7期連続13回目の挑戦者決定リーグ入りを決めた。藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=への挑戦を目指し、7人が総当たりで6局ずつ指すリーグ。前年度成績から残留した4人以外の3枠へ、豊島が一番乗りを決めた。

 振り駒の結果、先手は山崎で戦型は相掛かり。自身は中住まい、山崎は右王を選択した。自陣右辺で戦いが始まり、金桂交換で駒得した80手目辺りは手応えを感じたという。

 山崎が交換した角を自陣奥深くへ打った、47手目▲6九角。受け一辺倒の大駒が83手目▲9六角と、遠く豊島王をにらむ位置へ移動して攻めの主力を担った。125手目、山崎が自陣の受けに効かせつつ飛車取りでもある▲9三角に△7五角と強く切り返した。山崎角に当てつつ詰めろにもなる攻防手。134手目、17分を残す山崎に対し、先に1分将棋に突入し「逆転されていてもおかしくなかった」と薄氷を踏む思いを明かしたがうまく体を交わし、山崎王を即詰みに討ち取った。

 前期は2勝4敗でリーグから陥落。今期は2次予選から参戦し、梶浦宏孝七段(27)にこの日と連勝し、リーグに舞い戻った。

 「一局一局やっていく。出だしが大事。最初の方に勝っていってどうかという戦いですから」。挑戦者争いから早々に取り残されることがないよう、自らを戒めるように話した。

 藤井に挑む王位戦7番勝負の最中(1勝2敗)で、31日からは永瀬拓矢王座(29)に挑む5番勝負も開幕する。2014年に王座挑戦、王将リーグ参戦経験はあるが、王位戦は7番勝負と無縁だった。昨年まで3年間は10~12月開催の竜王戦7番勝負に出場したが、今年も過密日程の秋になることは確実とあって、「体調管理に留意して頑張りたい」と気持ちを引き締めた。

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2022年8月12日のニュース