心にぽっかりと穴が空いたよう…「面白いお爺さん」のお手本だった落語家・昔昔亭桃太郎さん
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【笠原然朗の舌先三寸】東京・高円寺の座・高円寺2で先日、行われた「昔昔亭(せきせきてい)桃太郎追善落語会」をのぞいた。
寄席の爆笑派として人気があった落語家・昔昔亭桃太郎さんは昨年12月28日に80歳で死去。本会は昔昔亭慎太郎ら一門弟子が企画。春風亭柳昇を師匠とする桃太郎さんの弟弟子にあたる春風亭昇太、瀧川鯉昇らも高座で一席演じ、座談会で思い出を語り合い、満員の聴衆とともに桃太郎さんを偲んだ。
寄席通いを続けている中で何回、桃太郎さんの高座に接したことか。飄々としたたたずまいに少し舌足らずな口跡。得意のギャグは、水玉模様の湯飲み茶碗を置かせておいて「公民館で使っているようなせこい茶碗でお茶を出しやがって」と切れた口調で手ぬぐいを客席に放る。1列目の客がそれを受け取り、返すと「どうもすみませんね」とオリジナルのティッシュケースをくれる。私もその幸運の手ぬぐいをキャッチしたことがある。桃太郎さんが亡くなったいま、たった1つのティッシュケースは宝物となった。
石原裕次郎のファンで、新作の「裕次郎物語」や「カラオケ病院」、扇子をマイク替わりに自慢ののどを披露した。楽屋にいる若手芸人をバックダンサーに「ルイジアナ・ママ」を歌った。今回の追善落語会でも在りし日の桃太郎さんが歌う映像にあわせて舞台に上がった柳昇一門全員でツイストを踊った。泣き笑いのエンディングになった。
俳人で劇作家、小説家の久保田万太郎(1889~1963年)が書いた随筆に「寄席」がある。
「何をしに、じゃァ、寄席に行く?簡単です。理由は、『安息』に。『安息』をえに」
そう寄席は安息が得られる場だ。半睡半醒で笑いのぬるま湯に浸かっていられる場だ。その客席にぽかぽかとした春風を送り続けていたのが桃太郎さんだった。わざわざ出番を狙っていくわけじゃないけど、番組表に名前があると「きょうは運が良い」と思った。まるで福神だ。
ある50歳代の真打ち落語家がこんな話をしていた。
「寄席の番組って“お爺さん枠”があると思うんですよ。落語芸術協会でいうと桃太郎や古今亭寿輔、三遊亭遊三とか。お爺さんも面白いお爺さんね。私も将来、そうなれたらいいなぁ」
高齢化社会を迎えている。ただでさえ年寄りは金食い虫のお荷物扱いされ、若者からは「老害」と疎んじられる。私も今年63歳。老境の身として哀しい。
どうせ齢を重ねるなら私も「面白いお爺さん」になりたい。桃太郎さんは良いお手本だったのだが。
関係者によると桃太郎さんの死は急だったようだ。12月13日、長野市内で行われた落語会が最後の高座。その後、脚が動かなくなり病院へ救急搬送。他の不調が見つかり入院してからあっという間に逝ってしまったのだという。亡くなった28日は大好きだった石原裕次郎の命日だった。
弟子の昔昔亭喜太郎が5月に真打ち昇進。披露興行が1日、新宿末広亭を皮切りに7月まで続く。師匠は必ず披露口上で一言。桃太郎さんも楽しみにしていたのだそうだ。
心にぽっかりと穴が空いたような気がする。追善落語会で改めてそう思った。
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