ノーベル平和賞受賞者 D・ムラトフ氏のメダル・オークションがスタート 落札額は全額寄付

[ 2022年6月20日 15:10 ]

 2021年にノーベル平和賞を受賞したロシアのジャーナリスト、ドミトリー・ムラトフ氏(60)が今年の3月に出品すると公言していたノーベル賞平和賞のメダルの一般公開オークションが20日にスタート。AP通信によればすでに55万ドル(約7400万円)に達しており、落札額は最終的に数百万ドルに達すると見られている。

 ムラトフ氏は言論の自由を求めるリベラル派のメディア「ノーバヤ・ガゼータ」の編集活動を20年以上率いてきたジャーナリスト。今年3月にウクライナの子どもたちを救済することを目的に、メダルの売却額をユニセフ(国連児童基金)に寄付するとしていた。

 プーチン大統領にとって抵抗勢力となる「ノーバヤ・ガゼータ」は軍事作戦が終了するまで業務一時停止。同氏は4月には列車の客室で何者かに赤い絵の具を浴びせられるなどロシア国内では孤立した状況だが、16日にロシアから西欧に出国したあとオークション会場のあるニューヨークに向かった。

 AP通信によれば、メダルの重さは金4・6グラムを含む175グラムで、メダルそのものの価値は約1万ドル(約135万円)。ノーベル賞受賞者のメダルのオークションにおける最高額は、DNAの分子構造を解明したとして1962年に生理学・医学賞を受賞したジェームズ・ワトソン博士(米国)の476万ドル(2014年)だが、どこまでムラトフ氏のメダルが迫るかが注目されている。

 なおAP通信の取材に「ウクライナの子どもに未来を返してやりたい」と語った同氏はすでにキャッシュで50万ドル(約6800万円)を寄付している。

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2022年6月20日のニュース