【前回の鎌倉殿の13人】第21話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「八重 激流も凜然 御仏の愛」

[ 2022年6月5日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第21話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「八重 激流も凜然 御仏の愛」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は5日、第22話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第21話(5月29日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第21話は「仏の眼差し」。源義経(菅田将暉)を失った奥州に攻め込み、藤原泰衡(山本浩司)を討ち取る源頼朝(大泉洋)。北条義時(小栗)畠山重忠(中川大志)らが在りし日の義経をしのぶ中、頼朝は毅然と上洛へ動き始める。一方、京の後白河法皇(西田敏行)は丹後局(鈴木京香)と今後の動静を憂慮し、来るべき日に備えていた。一方、鎌倉。八重(新垣)は子どもたちの世話に奔走。八重の明るい表情に、政子(小池栄子)も目を細めるが…という展開。

 八田知家(市原隼人)が天涯孤独となった男の子の面倒を見てほしいと義時に依頼。名前は「鶴丸」(佐藤遙灯)。八重が頼朝との間に生んだものの、幼くして亡くなった男の子「千鶴丸」に似た名前だった。

 北条時政(坂東彌十郎)、義時、北条時連(瀬戸康史)は仏師・運慶(相島一之)が彫った阿弥陀如来像を見に、伊豆・願成就院に到着。運慶と対面した。八重が預かる子どもは15人に。三浦義村(山本耕史)と一緒に子どもたちを川遊びに連れてきていた。

 「冷えてきたな」と義村が用を足しにいった間、鶴丸が川に取り残され、岩にしがみついている。「千鶴」――。千鶴丸が重なったのか。八重は果敢に川へ入っていく。

 義時たちは阿弥陀如来像に見惚れる。運慶は「阿弥陀仏は生あるすべての者をお救いになる。不思議なもんでさぁ、どことなく顔立ちが、ある人に似ちまってさぁ。教えん」。時政は「一献いかがかな?」と運慶を気に入った。

 八重は鶴丸を抱え、川岸へ歩みを進める。戻ってきた義村も川に入り、八重から鶴丸を引き取る。八重の息遣いは荒い。義村は鶴丸を運び、川辺に横たえる。まだ川の中にいる八重は安堵し、力尽きたような表情。金剛の「母上?」に、義村が振り返ると、そこに八重の姿はない。「八重さん…。八重さん!八重さん!」――。

 義村は「申し訳ない」と政子に報告。大姫(南沙良)は「無駄よ。助かるわけないわ。きっともう亡くなっている」と悲観的。義村は捜索に戻る時、「かわいそうだが、助かる見込みは百に一つもないな。小四郎も、ほとほと運のない奴だ」と語った。

 頼朝も加わり、必死の捜索。阿野全成(新納慎也)が祈祷も、燭台の火が消える。仁田忠常(ティモンディ・高岸宏行)が駆けつけ、政子は「見つかったのですか?様子は?」。忠常は「はい…(首を横に振る)」と無情の報告。膝から崩れ落ち、号泣した。

 義時「ふと、妻の顔を思い出してしまいました。息子の寝顔を見ている時の」

 運慶「俺の母にもよう似ておる」

 義時「お母上でしたか」

 今回の“大河絵”は子どもたちを救う“使命”に自らの意志を貫いた八重、阿弥陀如来像に八重を重ねた義時を表現した。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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