露巡洋艦沈没 専門家が戦況分析「ロシア軍は黒海周辺で制空権を失う」

[ 2022年4月15日 17:57 ]

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 外交や安全保障に詳しい明海大学の小谷哲男教授が15日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)に生出演し、ロシアの巡洋艦「モスクワ」が沈没したとされる件について解説した。

 黒海艦隊の旗艦である同艦について、ウクライナ軍は対艦ミサイルで攻撃し、深刻な損害を与えたと発表。一方でロシア国防省は、艦上の弾薬爆発で火災が発生し、沈没したと発表した。両国の主張には食い違いがあるが、小谷氏は「沈没したことはロシアも認めていることなので、もうこの船は存在しないと言っていいと思います」と述べた。

 小谷氏によると、同規模の巡洋艦をロシア軍は3隻、所有しているが、モスクワに関しては特に重要な役割を担っていたという。「黒海艦隊の旗艦ということで、いわば司令部がこの船の中にあったわけですから、指揮統制と言うものが今後、難しくなってくると思います」。さらに「一番重要なポイントは、このモスクワは防空を担っていた船です。黒海からクリミア半島南部に対してレーダーで、常に飛んでくる飛行機を見張っていて、飛んで来たら撃沈するという役割を果たしていた」と指摘。同艦の沈没で「ロシア軍は黒海周辺で制空権、航空優勢を失うと思います」と展望した。

 ウクライナによる黒海周辺での制空権奪回にもつながるという。小谷氏は「攻撃力はあまり変わらないですが、空からの攻撃というのをウクライナ側がやりやすくなります。NATO側も偵察機を近くまで飛ばして、ウクライナ側に情報提供をしやすくなるので、戦力の面でウクライナに優位になってくると思います」とも分析した。

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