「鎌倉殿の13人」巨漢が仇に…工藤茂光の夢も散る 初大河の米本学仁が存在感「ただただ一生懸命生きた」

[ 2022年2月6日 20:45 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第5話。北条館に戻る宗時(片岡愛之助・左)と工藤茂光(米本学仁)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は6日、第5話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第5話は「兄との約束」。闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝(大泉洋)の一党。見事に首級を挙げて勝利した頼朝は、北条義時(小栗)の知恵も借り、坂東における政の第一歩として土地の分配を始める。だが、これを知った平家方が激怒。相模では、奉行を務める大庭景親(國村隼)が梶原景時(中村獅童)ら三千の兵を率いて出陣。伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親(浅野和之)が動き出す。これに対する頼朝は全軍を率いて鎌倉を目指すが…という展開。

 石橋山の戦いに敗れた頼朝は、山中の洞窟に身を潜めた。頼朝はもとどり(髪を頭の上で束ねた髪形)の中から小さな観音像を取り出し「こんなことなら、ご本尊を持ってくるべきであった。誰か取ってきてくれ!誰か!」。宗時(片岡愛之助)が「私が参りましょう」と立ち上がり、北条館に観音像を取りに戻ることに。挙兵に加わった恰幅の良い伊豆在郷武士・工藤茂光(もちみつ、米本学仁)も「私も行こう。鎧が体に合わん。いったん戻って(鎧を)取り替えてくる」と宗時に同行した。

 北条館まで少しの川辺。茂光は「ここで別れよう。鎧を替えたら、北条館に行く」。宗時は「鎧が小さくなったのではなく、工藤殿が太られたのではないか。一体、何を食べれば、そんなに大きくなる…」。川の水を水筒に入れ、振り返ると、茂光が突っ伏している。茂光に駆け寄ると、背後に人の影。刀を抜こうとしたが…祐親の下人・善児(梶原善)の小刀に襲われた。祐親にとって宗時は孫だが、善児に命じた。

 米本は07年、映画プロデューサーを目指して渡米。ある日、突然スカウトされ、演技経験もないまま忠臣蔵をモチーフとした13年公開の米映画「47RONIN」に出演。いきなりハリウッドデビュー、主演のキアヌ・リーブスとの共演を果たした。

 米国を拠点に、数多くの映画・ドラマ・CMなどで活躍。身長1メートル80&体重180キロの体躯もあり、今回、念願の大河ドラマ初出演が舞い込んだ。

 「撮影中も実際に鎧がきついので、何か特別な役作りをするというよりは、その瞬間を自分なりに一生懸命生きることが大事だと思って撮影に臨みました。未来がどうなるかなんて分からない時代の変わり目。そんな時に何ができるかと言えば、やれることを精いっぱいやる、一生懸命生きることだと思うんです。それは今も一緒。それが工藤茂光であり、引いては今の自分でもあると思います。俯瞰して見れば、もちろん茂光さんはもっと義時さんたちと一緒に生きて、夢を見て、世の中を変えていきたかったと思います。ただ、あのシーンに関しては、そんなことを考える暇もないぐらい、善児さんがスッと現れたので(笑)。僕としては、工藤茂光はただただ一生懸命生きた、そういうことだと思います」と自身のラストシーンを振り返った。

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