BORO 腎臓がん闘病中につぶやいた「ロックしたい」 新作「OVERCOME」に込めた熱い思い

[ 2021年12月21日 19:31 ]

スポニチ大阪本社を訪れ、新アルバムへの思いを語ったBORO(撮影・成瀬 徹)  
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 シンガー・ソングライターBORO(67)がこのほど、大阪市北区のスポーツニッポン新聞社を訪れ、病を乗り越えてきた今年を物語るニューアルバム「OVERCOME」(12月22日発売)について語った。

 BOROは今年1月、初期の腎臓がんの摘出手術を受け、3月のライブで仕事復帰。術後の副作用や痛みとも闘ったが、年末になりようやく体調も安定してきた。「健康不安を1つずつクリアしてきた1年。アルバム発売日には、文字通りすべてをOVERCOME(克服)している自信があります」と笑顔をみせた。

 病と向き合う人生だ。C型肝炎、06年には上顎洞(じょうがくどう)に膿が溜まり5回の手術を繰り返し、10年には硬膜下血腫で大手術。C型肝炎新薬のおかげで15年にようやく闘病生活を抜け出せた。「SHOUT!」(17年)「RISING!」(19年)と精力的にアルバムをリリースする中、またも悲劇に見舞われた。

 まずはコロナ禍だ。2020年4月のNHK大阪ホールでの公演など、「RISING」を引っさげての40周年ライブはすべて中止になり、「もの凄いショック…“にっくきコロナ”でした」。何とか気持ちを切り替え“STAY HOME”ならぬ、“STAY STUDIO”で曲作りに没頭する中、腎臓がんが発覚。幸い初期のがんで手術も成功。免疫力が落ちたことで、さまざまな影響が体にあらわれたが、それも何とか乗り越えた。

 「入院中に一番思ったのが、ロックしたい。うなされるように『ロックしたい』『ロックしたい』ってずっと言ってた」

 新作アルバムにはコロナ禍、がん闘病で感じた感謝、病室で作った曲、打ち勝つことへの熱い思いを投影。ロックできることの喜びを実感した。

 作品にも、自身のSNSにも前向きな言葉が並ぶ。ポジティブ思考でいられるのは「病気を経験してきたおかげ」と語る。「手術でもまな板の上のコイ、でしょ。もうお任せ!という。すべてを受け入れ、信じられるようになった。昔は落ち込む子やったんですけどね。でも落ち込むロックンローラーは最悪ですよ(笑い)。病を克服してきたことで、変われた。67歳の成長期ですね」と笑った。

 前向きでロックな新作には、「コロナ克服まであとひと踏ん張り!OVERCOMEしていこう」という思いも込めた。「来年はコロナにも打ち勝って、全国を回って歌で皆を激励し、皆で元気にしたい」。毎日立ち稽古を行い、体力も維持。声もよく出て、歌声は力強い。

 69歳になる2年後には、「69(ロック)ですからね。ロックなアルバムをもう1枚作ろうぜと、スタッフと盛り上がってます」と明かし、「実はもう創作活動に入ってる。新作のプロモーションで次の話も何ですけど」と笑顔。病の経験もすべてエネルギーに変え、BOROのロック魂はさらに燃えさかっている。(萩原 可奈) 

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2021年12月21日のニュース