佐野史郎「血液のがん」多発性骨髄腫だった、治療期間未定も俳優復活目指す

[ 2021年12月11日 05:30 ]

佐野史郎
Photo By スポニチ

 俳優の佐野史郎(66)が10日、所属事務所の公式サイトで、血液がんの一種「多発性骨髄腫」であることを発表した。抗がん剤と、自身の血液から採取した幹細胞を骨髄に戻す「造血幹細胞移植」の治療を行うため、11月末から再入院している。

 所属事務所などによると、今年4月、佐野は39度の発熱で病院を受診。新型コロナウイルス禍でもあり、即日入院して検査した。その後、多発性骨髄腫と診断された。治療のためTBSのドラマ「リコカツ」を途中降板した際には病名を「腎機能障害」と説明していたが、佐野は「連続ドラマ放送中であり、あまりお騒がせしすぎないようにと、正式な病名の発表は控えておりました」とした。実際に、白血球の数値の異常から腎機能の低下が見つかり、さらに詳しく検査して多発性骨髄腫であることが分かったという。

 入院中に敗血症を併発したことで2カ月間ほど治療にかかり、7月に退院。8月には仕事復帰してドラマなどの撮影をこなしていた。再入院について関係者は「病名が分かった時も気丈に受け止めていた。現在は体調は安定しているが、治療にかかる時間や再復帰の時期は未定」としている。

 佐野は、この日放送のテレビ朝日のトーク番組「徹子の部屋」にも出演。再入院前の11月15日収録分で、病気の兆候について「今思えば腰が痛かったり、声が出にくいということがあった」と指摘。4月の入院時は「38~39度の熱が1カ月続いたのが一番つらかった」と打ち明けた。

 一時は「仕事というよりも、生きていけるのかと」という気持ちにもなったとし、「退院して(撮影に)行きたい、演じたいと思った時に“好きなんだな”と実感した」と俳優業への熱意を再確認。「治療を乗り越えれば、この経験を生かせるようになると思うし、ちゃんと向かい合う」と決意を語った。

 ≪発症原因は不明、寛解なら復帰可≫多発性骨髄腫とは、骨髄の中でがん化した細胞が増える「血液のがん」の一種。発症の原因は不明で、50~70代に多い。国内で年間約8000人ほどが発症する。医療ジャーナリストの森田豊氏によると「がん化した細胞は、免疫能力のない抗体のようなもの。この細胞が増えるため、血液中の正常な赤血球、白血球、血小板が減り、さまざまな症状が出る」という。貧血、出血、発熱以外にも高カルシウム血症や腎機能の低下、背骨などの骨折がみられるという。治療法は進歩しており、抗がん剤や骨髄移植で症状を抑える「寛解」を目指す。森田氏は「治療は数カ月単位かかるが、寛解の状態にできれば仕事への復帰も十分に可能」とした。

 ≪新事務所での活動開始を報告≫佐野は、これまで所属していた事務所「アベベネクスト」が11月末で解散し、新たな所属事務所「mewgull(ミューガル)」で活動を開始。公式サイトでは「心身共に新たな気持ちで再スタートを切るつもりでおります」と報告している。

続きを表示

2021年12月11日のニュース