「おかえりモネ」モネ由来が判明 脚本・安達奈緒子氏が百音&未知の名前に込めた思い 姉妹は「鏡のよう」

[ 2021年10月28日 08:15 ]

連続テレビ小説「おかえりモネ」第119話。百音(清原果耶・右)は未知(蒔田彩珠)を浜に誘い「みーちゃんは悪くない」(C)NHK
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 女優の清原果耶(19)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は28日、第119話が放送され、主人公・百音(清原)の愛称「モネ」の由来が明らかに。脚本の安達奈緒子氏に「モネ」に込めた思い、百音と未知(蒔田彩珠)との姉妹関係について聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 朝ドラ通算104作目。清原とタッグを組んだNHK「透明なゆりかご」などやテレビ東京「きのう何食べた?」などで知られる安達氏が手掛けるオリジナル作品。朝ドラ脚本初挑戦となった。タイトルにある「モネ」は主人公・永浦百音(ももね)の愛称。1995年に宮城県気仙沼市に生まれ、森の町・登米(とめ)で青春を送るヒロイン・百音が気象予報士の資格を取得し、上京。積み重ねた経験や身につけた技術を生かし、故郷の役に立ちたいと奮闘する姿を描く。

 第119話は、サヤカ(夏木マリ)が気仙沼を訪れ、百音(清原)に再会。百音は登米でサヤカと過ごした日々を思い返し、もう一度、感謝の気持ちを伝える。サヤカは誰もを受け入れ、いつでも行っておいでと送り出してくれる人。百音は自分が未知(蒔田彩珠)にとってのサヤカのような存在になれないかと考えていた。翌日、百音は未知を浜へ誘う…という展開。

 サヤカは亀島の永浦家にも足を運び、龍己(藤竜也)と亜哉子(鈴木京香)とも再会。百音と未知が小さかった頃の話になり、サヤカは「かわいかったですねぇ、みーちゃんが泣き虫でね。モネー、モネーって、お姉ちゃんにベッタリでね。あれよねぇ、みーちゃんが『百音』と『お姉ちゃん』をくっつけちゃったから『モネ』になっちゃったんだよね?」。龍己が「そうだったっけ?」と聞くと、亜哉子は「はい。あの2人は昔から仲が良かったぁ」と懐かしんだ。

 「モネ」の由来について、書面インタビューに応じた安達氏は「百音の愛称を『モネ』としたのは複合的な理由があります。妹の未知が呼んだことが端緒となりますが、画家のモネが持つ色彩豊かなイメージ、気仙沼のカキの養殖地の地名などにも由来があります。呼び名は関係性を表しますから、モネと呼ぶか、百音と呼ぶか、おまえと呼ぶか、あなたと呼ぶかでもいろいろと表現できる余地が生まれるので、そこは大事にしたいなと思っていました」と明かした。

 第118話(10月27日)、未知は「私…あの時…おばあちゃんを置いて逃げた。どう言っても、引っ張っても、おばあちゃん動いてくれなくて。海が見えて。1人で逃げた。その後、たぶん、大人たちが来て、おばあちゃんを助けてくれたんだと思う。でも…私は…絶対…自分を許すことはできない。ここで、自分が、何かの役に立てれば、いつか…」と震災の日から抱えていた自責の念を吐露した。

 突き抜けるような青空の下、冬の浜辺。百音は「みーちゃんがどうしても、自分を許せないなら、私が言い続ける。みーちゃんは悪くないって。記憶も、あの日、私たちを隔ててしまったものも、消えない。だから、みーちゃんが何度も何度も、自分を許せなくなるなら、そのたんびに私が言う。みーちゃんは悪くない。こんなことは綺麗事で、何の役にも立たないかもしれない。でも言う。みーちゃんが思い出すたんびに、私が言う。みーちゃんは悪くない。絶対に悪くない。(未知を抱き締め)これからは、私がここにいる。だから今度は、みーちゃんが好きな所に行きな。帰ってきたくなったら、また帰ってくればいい」――。未知の大学進学、東京行きを後押しした。

 安達氏は「百音は『百の音を聴く人』という意味を込めて付けました。多くの人の声を聞いて咀嚼し、自身の行動に結びつけていく。一方、未知は『まだ世界を知らない、でもこれから未来を手にする人』。姉妹は鏡のようなものでしょうか。似ているけれど違う、なのに相手に投じた言動が自身の姿を如実に表していると気づかされる、不思議で、かけがえのない存在なのかなと思います」。亮(永瀬廉)をめぐる未知の嫉妬もあり、一時はぎくしゃくした永浦姉妹。しかし、百音が故郷に戻った一つの意味と姉妹愛がここに結実した。

 明日29日は最終回(第120話)。幼なじみたちが見守る中、震災の日から閉じたままだった百音はサックスケースを開ける。そして2020年2月。百音、未知、新次(浅野忠信)たちに見送られ、亮は海へ。耕治(内野聖陽)と龍己も海へ、それぞれの道を歩み始める。

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2021年10月28日のニュース