看護師シンガー、瀬川あやか 音楽と医療“二刀流”、ワクチン注射の打ち手も務める

[ 2021年6月13日 05:30 ]

シンガー・ソングライターの瀬川あやかは人を応援するポジティブな作風でファンを魅了する(撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 看護師としてコロナワクチン注射の担い手も務め、患者に寄り添い、歌でファンを魅了する「二刀流」シンガーが注目されている。シンガー・ソングライターの瀬川あやか(29)で「音楽と医療に共通しているのは、人を励ますこと。生涯の仕事として“看護師シンガー”を続けていきたい」と笑顔で語る。7月7日にはコロナ禍で1年延期になったアルバム「Sprinkler(スプリンクラー)」の発売が控える。

 伸びのある爽やかな歌声と前向きな気持ちになれる軽快なメロディーが魅力。「ファンの方からは“朝に聴きたい”ってよく言われます」。都内病院に週3~4日勤務し「訪問看護でがんの終末期を過ごす方や、脳梗塞の後遺症が残る患者さんのケアなどをしています」と明かす。多忙な日々だが「どっちのお仕事も人を相手に思いを伝える仕事。やりがいがあるし楽しいです」と充実の表情を見せた。

 小学生の時から「モーニング娘。」の影響で音楽にひかれ、看護助手だった母を見て医療に興味を持った。看護系の大学1年生の時「ミス・キャンパスコンテスト」に挑戦し準グランプリを獲得。そこで現在の所属事務所にスカウトされ、芸能界デビューを果たした。その後、歌手を目指して本格的にボイストレーニングを開始。看護学生として目まぐるしい毎日を送る中、音楽活動を諦めかけたこともある。

 しかし大学3年の実習中、認知症患者に「ソーラン節」を歌ったところ、一緒に歌ってくれたことで考えが一変した。「そういう魅力が音楽にはあるって気付いて、どっちかじゃなくてもいいかも…と思った」。そこからは二刀流へアクセルを踏んだ。2015年4月から看護師、16年6月にメジャーデビューを果たした。

 そんな瀬川だからこそ、やり遂げたいことがある。「医療向けの音楽を作りたい。手洗いの歌とか、子供がワクチンの注射を怖がらなくなる歌とか。短くて優しくてキャッチーなものを考えたい」。前代未聞のパンデミックで心が沈んだ全ての人に、元気を届ける。(小田切 葉月)

 《聴いた人の心に響くように 7・7アルバム発売》来月発売になる「Sprinkler」は10曲を収録。タイトルは「私の思いや愛や勇気を、音楽を通じて広範囲にばらまけ~!って意味で付けました」と明かした。リードトラックの「Someday, Someone」は、巡り巡って人々に幸せを届けたいという思いが込められて作られた一曲。「聴いた人の心に響くような作品になっていると思います」と自信をのぞかせた。

 ◇瀬川 あやか(せがわ・あやか)1992年(平4)4月27日生まれ、北海道富良野市出身の29歳。15年4月から都内病院で勤務しつつ、16年6月にシンガー・ソングライターとしてメジャーデビュー。19年公開の映画「ダンスウィズミー」で女優に初挑戦するなど幅広く活動している。看護師免許のほか、野菜コーディネーターの資格も所持。血液型AB。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月13日のニュース