藤井王位への挑戦権は豊島竜王が獲得 藤井王位が過去1勝6敗の“天敵” 王位戦挑戦者決定戦

[ 2021年5月24日 19:11 ]

藤井聡太王位への挑戦権を獲得した豊島将之竜王(提供・日本将棋連盟)
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 藤井聡太王位(18)=棋聖との2冠=への挑戦権を争う、豊島将之竜王(31)=叡王との2冠=と羽生善治九段(50)による挑戦者決定戦が24日、大阪・関西将棋会館であり、豊島が110手で勝利した。6月29、30日に名古屋市・名古屋能楽堂で開幕する7番勝負第1局に臨む。

 豊島は対藤井戦が6勝1敗。初対戦から6連勝し、1月の朝日杯で初めて敗れた。年度の勝率が4年連続8割を超え、勝率1位賞を獲得する藤井が最も負けている。タイトル戦での初対戦へ「大変な相手ですけど精一杯指していい勝負ができればと思います」と豊島は意気込みを語った。

 挑戦者決定リーグの紅組を勝ち上がった豊島と白組の羽生による決定戦。振り駒の結果、先手は羽生に決まり、戦型は相矢倉へ進んだ。定跡手順が淡々と続いた39手目、羽生が突如(2筋の)飛先の歩を突き出し、意欲的な仕掛けを見せた。

 豊島も黙ってない。中段での活用を図った羽生飛車を捕獲し、桂香との交換に持ち込んだ。羽生陣の攻め駒を一掃して1段目で眠った飛車も成り込み、入玉を視野に入れる展開へ持ち込んだ。

 「竜を作ってちょっとよくなってる感じがした」。手応えを示した豊島に対し、羽生は「2筋を突き捨てたのが問題だったかも。ちょっとずつ攻めが細くなった」。昨秋、獲得タイトルの通算100期をかけ、豊島に挑んだ竜王戦7盤勝負。1勝4敗で屈した雪辱はまたも果たせなかった。

 昨年、10代で初の2冠となった藤井は6月6日、千葉県木更津市で第1局を迎える棋聖戦では渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=を挑戦者に迎える。7月にかけて開催される5番勝負とのダブル防衛戦となり、藤井は最大12局のタイトル戦を3カ月かけて指す。王将戦と棋王戦で無類の強さを発揮する渡辺が「冬将軍」なら藤井は「夏男」。7月19日が誕生日でもあり、シーズン到来となる。

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2021年5月24日のニュース