尾上松也 初主演映画「すくってごらん」で知った「待つこと」の重要性 私生活にも変化が

[ 2021年2月26日 17:05 ]

映画「すくってごらん」で初主演した尾上松也
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 歌舞伎俳優の尾上松也(36)が26日、大阪市内で初主演した3月12日公開の映画「すくってごらん」(監督真壁幸紀)の取材に応じた。金魚の産地として知られる奈良県でロケを行い、左遷された元エリート銀行員が出会った美女(百田夏菜子)を悩みからすくうため、金魚すくい大会に出場し金魚もすくうという物語。役作りのため奈良県の金魚すくいの達人の元へ通ったという松也は、その極意を「捕りに行くのではなく待つこと。あと金魚すくいの紙は破れても終わりではない。破れても諦めないというのは映画に通じるし、修行のようでした」と回想した。

 コロナ禍で歌舞伎公演などがなくなり日々の生活が一変して1年近く。「待つこと」に関連し、私生活にも変化があったという。

 「今まで浴槽にはお湯を張らず、シャワーだけでしたがお湯に浸かるようになった」。自宅での時間が増え、その時間をより充実させるよう考えを改めた。「風呂に入ったときの精神的安定感。でも(熱くなるので)限界はある。あとは部屋にキャンドルをつけたりアロマやお香を焚いたり」

 緊急事態宣言で仕事がキャンセルになり、1週間オフになっただけで「こんなに幸せなことがあるのか…」と実感。好きな時間に起き、好きなものを食べ、朝まで海外ドラマやバラエティー番組を見た。

 自らも出演するそれらの番組が多くの人にとっての必需品である現実に気づき、やりがいを感じると同時に、1週間経つと「仕事をしたいと強く思うようになった。精神的支えだったと知った」と休暇明けを待ち焦がれた。

 2009年から歌舞伎自主公演「挑む」を座頭として主宰する。「自主公演をする中で大事にしているのが、待つことと言うか“継続は力”。続けていくことが自分の中では経験として大きい」。先月、誕生日を迎えた36歳は、俳優としての次なるステージへ足を踏み入れた。

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