川口春奈が「麒麟がくる 総集編」の語りを務めるワケ

[ 2021年2月22日 12:00 ]

NHK大河「麒麟がくる 総集編」の語りを務める帰蝶(川口春奈)(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の川口春奈(26)が23日放送のNHK大河ドラマ「麒麟がくる 総集編」(後1・05)で語りを務める。

 「麒麟がくる」(今月7日に最終回放送)で、川口は織田信長(染谷将太)の正室・帰蝶を演じた。主人公の明智光秀(長谷川博己)やヒロインの駒(門脇麦)ら、多くの登場人物の中から、帰蝶(川口)を語りに起用した理由について、制作統括の落合将チーフプロデューサーはこう説明する。

 「光秀、信長と最も濃密な関係を築いているのが帰蝶だからです。総集編は全44回を4時間程度に収めなければならず、視点が限られます。『麒麟がくる』は大きなうねりを持つ群像劇でできており、全てをまとめることができず、今回はメインの2人、光秀と信長の物語に絞る必要がありました。駒や伊呂波(尾野真千子)を代表とする庶民視点はやや脇に置かざるを得ず、光秀と信長の2人に最も濃密な関係を持っている帰蝶が『幼なじみ』と『夫』を語って分かりやすく見せていく手法をとりました」

 最終回前の1月31日放送で、帰蝶は信長への対処に悩む光秀から「(帰蝶の父の)道三さまなら、どうなされましょう?」と尋ねられ「毒を盛る。信長さまに」と答えた。その言葉が誘因の一つになって光秀は本能寺の変で信長を殺害。光秀も豊臣秀吉(佐々木蔵之介)に敗れ、生死は不確かなものの、表舞台から消え去った。主要人物2人の不在と、2人に密接な人物の存在。このような結末からも、帰蝶(川口)の語りは自然と言えるだろう。

 総集編は「美濃編」「上洛編」「新幕府編」「本能寺編」の4回構成。特に「美濃編」では光秀と信長が極めて若々しい姿を見せており、物語最終盤で熟成しきった2人の印象がまだ強く残っている状況で視聴すると、時の流れを痛感できて面白い。

 落合氏は「長谷川さん、染谷さんは、登場時のそれぞれ20代、10代の雰囲気と後半の雰囲気ががらりと変わっています。2人だけの長いシーンの連続を繰り返す中で、より研ぎ澄まされていったと思います。とりわけ第40回以降からの2人の緊張感は見る者が生唾を飲み込むほど張りつめたもの。物語の中に一気に誘い込む瞬間を2人だけの力で築き上げたと思います。俳優さんが持つ凄みを改めて知る体験でした」と振り返る。

 2人の芝居の集大成となる「本能寺編」。最終回には帰蝶の登場シーンがなかっただけに、この総集編の語りで帰蝶が本能寺の変に関してどのような言葉を発するのか注目される。

 落合氏は、川口の語りについて「静かな語り口で、視聴者に分かりやすく、物語世界へ導いていただけた」と話している。

 現時点では、この総集編が「麒麟がくる」の最後の番組。1年以上にわたって見続けてきたドラマへの惜別の思いをかみしめながら楽しみたい。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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