渡辺王将が永瀬拓矢王座を下す 王将戦と同カードで注目 朝日杯将棋オープン戦準々決勝

[ 2021年1月16日 16:49 ]

名古屋市の名古屋国際会議場で指された朝日杯将棋オープン戦の準々決勝で永瀬拓矢王座(左)を破った渡辺明王将=名人、棋王との3冠=(提供・日本将棋連盟)
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 渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=と永瀬拓矢王座(28)が16日、名古屋市の名古屋国際会議場で指された朝日杯将棋オープン戦の準々決勝で対戦し、渡辺が129手で勝って4強入りした。

 藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=や豊島将之竜王(30)=叡王との2冠=とともに“将棋界の4強”と言われる2人の対局でもありファンの関心は高い。加えて、現在行われている王将戦7番勝負と同じ黄金カード。10、11両日の王将戦第1局では渡辺が挑戦者の永瀬を破り、防衛へ幸先いいスタートを切っている。

 2日制で持ち時間各8時間もある王将戦から打って変わって、この日は持ち時間各40分の早指し戦。渡辺で先手で、角換わり腰掛け銀の戦型も王将戦第1局とまったく同じとなったが、渡辺が終始、優位に進め、5日前の雪辱を期す永瀬を返り討ちにし、直接対決5連勝とした(通算成績は渡辺の12勝3敗)。

 新型コロナ禍で緊急事態宣言が愛知県にも発令されており、マスク姿でファンは公開対局を静かに見守った。終局後、藤井に決勝で敗れた時以来の準決勝進出に、渡辺は「優勝を目指したい」ときっぱり。一方の永瀬は「内容に課題が残る」と険しい表情で、23、24両日に大阪府高槻市「山水館」である王将戦第2局に向けて不安を残した。

 午前に行われた1回戦で渡辺が野月浩貴八段(47)を、永瀬は佐藤紳哉七段(43)をそれぞれ勝利。準決勝進出をかけた午後の本局で激突した。

 名古屋対局はあす17日も行われ、昨年は準決勝で敗れたが3度目の優勝を狙う藤井、豊島らが登場する。

 朝日杯の優勝賞金は750万円。準決勝、決勝は来月11日、都内で行われる。

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2021年1月16日のニュース