渡辺謙「復興へのエネルギー感じた」、東日本大震災10年を前に被災地訪問

東日本大震災発生直後から被災地に通ってきた渡辺謙
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　俳優の渡辺謙（61）が来年1月放送のNHKの復興支援番組に出演する。「明日へ　つなげよう」（3日後6・05、10日前10・05）で2週にわたり、東日本大震災から10年の節目を前に現地の人々と交流する姿が放送される。渡辺はスポニチ本紙の取材にこの10年間を振り返り「復興へ向けた日本のエネルギーを感じました」とかみしめるように語った。

　今年11月に福島県葛尾村や宮城県気仙沼市などを訪問。3日は「10年特集」として現地を歩く映像とともに、福島県いわき市出身の女優富田望生（20）、小中学生ユニット「Foorin」とスタジオでトークを展開する。10日は「渡辺謙　僕に、できること」をテーマに被災地に寄り添う様子を伝える。

　渡辺は厳しい環境でも前を向く人々との交流が刺激にもなったようで「アップダウンはあった。それでも人々は前を向いていた」と振り返る。

　被災地には震災直後から何度も足を運んできた。中でも気仙沼には「真っ暗な世界に光を届けたい」との思いでカフェを出店。今でも日本にいる時には月に1回は顔を出している。自身も「俳優という肩書を捨てて一人の人間としていられる場所」とし、現地の人たちからパワーをもらってきた。

　今年3月公開の映画「Fukushima　50」では「俳優」として災害と向き合った。「やはり自分は俳優。作品を通して伝えられるメッセージは強い。これからも僕が何ができるのか、考えていきたい」と力を込めた。

　3日に出演する富田は、小学5年生の頃に被災した。今でも当時の記憶はつらいものだという。番組ではその時の記憶にも正面から向き合っていく。「10年という期間を経て、今、あらためて当時を見つめられる人もいます。私もその1人です」と心境。「この期間を経ることで、私も少しでも何かを伝えられれば」と語った。

　そんな富田が当時、勇気をもらったのは音楽の力だった。復興支援のために被災地に歌を届けた「AKB48」や「EXILE」は今でも強く印象に残っているという。

　当時を知らない少年・少女たちが、記憶を紡いで風化させてはならない思いを届ける。今回「Foorin」は福島の合唱団とコラボして「パプリカ」を歌う。

　メンバーのもえの（12）は「福島のみなさんと一緒に歌を歌って、ますます東北が好きになった」と感想。新型コロナ禍のためリモートでの交流となったが、「いつか絶対に東北に行きたい！」と元気いっぱいに語った。ひゅうが（14）も「『パプリカ』の花言葉は『君を忘れない』。その言葉を大事にしてこれからも勇気を届けたい」と誓った。