永瀬王座、日本シリーズJT杯決勝進出! 過密日程対策は藤井2冠からの“睡眠のススメ”

[ 2020年10月4日 18:20 ]

将棋日本シリーズJTプロ公式戦準決勝第1局で勝利し笑顔を見せる永瀬拓矢王座
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 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の準決勝第1局が4日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、永瀬拓矢王座(28)が117手で斎藤慎太郎八段(27)を破り、決勝に進出した。

 初出場の永瀬が決勝の大舞台に駒を進めた。「早指し棋戦の勝率が低いので望外な結果です」と驚いた表情を見せた。準決勝では奨励会同期で、同年代の斎藤と約1年ぶりの対局。「同世代の中でも手の内が分かっている間柄。(過去の対戦で)敗れた対局では終始主導権を握られてしまっていたので、今日は握ろうとしたが上手く主導権を握られてしまった。苦戦を強いられてしまったかなと思う」と振り返った。斎藤は「(40手目)△1六歩など、甘い手を何手か指してしまった」と序盤のミスを悔やんでいたが、永瀬が勝ちを意識したのは「(117手目)▲8四香」。最後までギリギリの攻防が繰り広げられた。

 永瀬は、きょう4日から8日間の間に、自身が保持する「王座」のタイトル防衛戦を含む4局とハードスケジュールが待ち構える。強者の宿命とは言え、6月に組まれた同様の過密日程では「体力が尽きた」と漏らした一幕も。そこで今回は、研究仲間でもある藤井聡太2冠(18)から受けた「ちゃんと寝る」というアドバイスを生かすという。「(対局の前後は)どうしても眠れなかったりするのですが、藤井二冠が『ちゃんと寝る』とおっしゃっていたことに感銘を受けました。5~7時間は寝るように努めます」と“秘策”を明かした。

 次戦11月22日の決勝では、JT杯覇者・渡辺明王将(36=名人、棋王との3冠)―豊島将之二冠(30=竜王、叡王)の準決勝勝者と戦う。初優勝が懸かるが、「お2人どちらが来られても最強だと思うけど、どちらも指したい相手なので楽しみ」と笑顔がこぼれる。「スピーディーな棋戦なので、細かいミスで差を付けられてしいまうと思う。しっかり準備しないと内容が拮抗できなくなってしまうので、精一杯準備をして良い将棋を指したい」と意欲を語った。

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2020年10月4日のニュース