どう変わる?史上初の無観客「紅白」…嵐“ラスト大みそか”フル回転で盛り上げる!

[ 2020年9月11日 05:30 ]

東京・渋谷区のNHK
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 大みそかの「第71回NHK紅白歌合戦」が史上初の無観客で行われることが10日、発表された。また、放送時間を15分短縮し、午後7時30分から同11時45分までの放送となることも決まった。新型コロナウイルスの感染拡大や、局の次期経営計画(21~23年度)での国内放送費削減に伴う“新しい紅白”はどうなるか、徹底取材した。

 NHKの前田晃伸会長は10日の定例会見で「今年で71回目となる紅白は無観客」と発表。「出演者・スタッフが密になるのを避けるなどの対策を徹底していきたい。新しい形の紅白を楽しんでいただき、人々の心に残る紅白にしたい」と力を込めた。番組担当者も演出内容について、先月放送した特番「ライブ・エール」や「うたコン」など、無観客で行った番組で得た蓄積を生かすと表明。「無観客を逆手にとって、生まれたスペースを有効利用して新しいスタイルの紅白をお見せしたい」と意気込んだ。

 局関係者によると、8月ごろから観客を入れない形での実施を検討。ライブイベントの客数制限など規制が緩和に向かう流れもあったが「万一クラスターが発生したら国民的番組がなくなりかねない」と判断。観客ゼロに踏み切った。

 無観客紅白はどうなるのか。本紙の取材では、今回は3密を避けるため、NHKホール以外の場所からの中継出演が増加。08年のMr.Childrenらが使用した「101スタジオ」など多数のスタジオを使用する可能性が高い。ほかにもホール脇の駐車場に屋外用のセットを組むなどし、各所からの中継をリレー形式でつなぐとみられる。

 注目は、活動休止前の「ラスト紅白」となる嵐が5人全員で司会を務めるか。すっかり紅白の“顔”として定着した国民的グループ。今年は必ずしもホールにいることは求められない。番組スタッフは「5人のメンバーがいれば多数の中継拠点に散らばり進行できる。番組の一体感も出る」と話す。

 紅白の特徴と魅力は出場歌手がポップスから演歌、若手からベテランと、ジャンルや年齢の垣根を越え、一体となって盛り上げるシーン。「今年は必然的にそのライブ感が失われる。国民的アイドルがフル回転すれば十分にカバーできる」とNHK関係者は語る。

 休止前ラストイヤーの今年はコロナ渦で思うような活動ができていない。それでも昨年の紅白で初披露したシングル「カイト」がミリオンを達成。今年の歌唱も期待される。

 かつて、11年に4回目の大トリを務めたSMAPは客席に下り立ち、観客や会場全体を巻き込む熱気を生み東日本大震災で傷ついた日本を元気づけた。それから10年目。ジャニーズ事務所の後輩がどんな伝説を生み出すか目が離せない。

 《第1回から観客招待》紅白歌合戦は観客との歴史でもある。1951年(昭26)1月3日にラジオの正月番組としてスタート。NHK東京放送会館のスタジオに男女150人ずつの聴取者を招待した中での生放送だった。53年の第4回大会から12月31日開催になり、初めてテレビ中継された。当時の興行界では大みそか夜の催しは当たらないと言われていたが、会場の日劇には長蛇の列ができた。その後、日比谷公会堂、新宿コマ劇場、東京宝塚劇場などで開催され、NHKホールは73年(第24回)から使用している。

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2020年9月11日のニュース