白石麻衣 YouTube配信の今感

[ 2020年8月24日 12:00 ]

2015年、音楽ユニットの夢を語った白石麻衣
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 【牧 元一の孤人焦点】乃木坂46・白石麻衣の初めてのYouTube配信(20日夜)に「今」を感じた。

 モデルとしても活躍している白石らしいスタイリッシュな映像が届くだろうと想像していた。ところが、始まってみれば、素人感あふれる映像。しかも、自力操作による生配信の弊害で何度も映像、音声が途切れてしまう。常識的には、うまくいっているとは言いがたかった。しかし、見ていて楽しかった。

 素顔がよく表れていた。自身の誕生祝いのケーキを作りながら、視聴者が24万人に達しているのを確認して「すごい緊張する。どうしよう。生クリームどころじゃないよね」とあたふたしたり、映像が途切れそうになって「ダメだ。また切れちゃう。本当にごめんなさい」と謝ったり、動揺しているようで意外に動揺していなかったり…。メンバーの松村沙友理と高山一実が加わってからはグループの楽屋での雑談風景を映しているようだった。

 こんな映像をテレビで見るのは難しい。自由度が高いYouTubeならではだ。そもそも、コロナ禍がなければ、スタッフが集まって、もっとしっかりした生配信にしただろうから、今の時代だからこそ生まれた映像と言え、そこに面白さがあったのだと思う。

 白石はあの配信で、延期となっていた卒業コンサートを10月28日に配信ライブで開催すると発表した。「配信ライブに対しては前向きな気持ちだし、配信だからこそできることもあると思う」。トップアイドルとして本来ならば大勢のファンの前であいさつするところだが、配信にするのも今の時代ならではだ。

 卒業後の活動はどうするのだろう。関係者は「本人は『いろんなことにチャレンジしたい』と言っている。これまでの女優やモデルなどの仕事に加え、今回のYouTubeもそうだし、新しいことに挑むのではないか」と話す。

 個人的に期待するのは、新たな音楽活動だ。2015年に本人をインタビューした時、夢として「少人数のユニットでのシングル発売」を挙げ、こう話していた。

 「乃木坂に入る前、いつかユニットを組みたいと思って音楽の専門学校に通っていたので、その夢はまだ捨てられないです。1人より何人かいる方が自分も楽しいし、見る側も楽しいと思うんです。ユニットでダンスをやって動きがそろうとかっこいいじゃないですか」

 この夢は乃木坂で実現しなかったが、卒業後も歌って踊る姿を見たい人は多いはず。YouTubeチャンネルでパフォーマンス動画を配信すれば登録者数(24日正午現在で約79万人)はさらに増えるだろう。

 23日配信の動画では、バッティングセンターでのフルスイング映像を公開。中学時代にソフトボール部にいたというだけあって、なかなか力強い打撃を見せている。意外なほどの乗りの良さも面白い。今後、新たな一面を見る機会が増えそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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