テレビとSNS、共存関係どう築くか…SNSうのみにせず一歩引いた目線大事

[ 2020年5月30日 05:30 ]

2020年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会に参戦した木村花さん
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 フジテレビの遠藤龍之介社長が29日、同局が制作する恋愛リアリティー番組「テラスハウス」の出演者だった女子プロレスラー木村花さん(享年22)が23日に死去したことを受け、報道各社にコメントを発表し「今後、十分な検証を行ってまいります」とした。

 放送に詳しい立教大社会学部メディア社会学科の砂川浩慶教授は「テレビとSNSがどう向き合い、共存関係を築いていくのか。制作現場だけでなく、経営トップから全体で継続して考える必要がある」と指摘した。

 近年のテレビ番組は、SNS上で盛り上がることを良しとしてきた。だが「SNSでコメントしているのは一部の層だけという可能性もある」と指摘。「反響をうのみにせず、コメントをしない人々を意識することも必要。一歩引いた目線で視聴者全体を見ていかなければならない。SNS以外で若者と接点を持つことも大事だ」と制作側に視野を広げることを求めた。

 短期的なやるべきことは、SNSの利用に関する啓発活動。「例えば有名人を使ったスポットCMを作り、SNSでどんな時に嫌な思いをしたか、どういう時に良い思いをしたかを語る内容。匿名の人にも届くようなことを、放送、配信の両方でやっていくべきだ」と話した。

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2020年5月30日のニュース