坂本冬美 新曲CD発売延期も動画配信初挑戦でセーラー服

[ 2020年5月7日 05:30 ]

自宅で自主練習する様子をYouTubeにアップした坂本冬美

 6日に発売予定だった演歌歌手・坂本冬美(53)のシングル「俺でいいのか 追撃盤」が、新型コロナウイルスの影響で無期限発売延期となった。歌番組や公演も軒並み白紙となり、この日、スポニチ本紙の電話取材に在宅で応じた坂本は「歯がゆい」と無念を口にした。しかし「この曲が発表できる時は世の中がいい方に向かってるということ」と、動画配信に初めて取り組むなど前を向いている。

 緊急事態宣言の延長も決まり、坂本は「もっと大変な方がいらっしゃる中で、CDを出す出さないで大騒ぎするのもはばかられますが…」と前置きしつつ「やはり歌手にとってCDは自分の顔であり、全て。本当に残念」と心中を語った。

 発売延期になったCDは、令和初シングルとして昨年発売した「俺でいいのか」の作曲家・徳久広司氏と、トップギタリスト斉藤功氏のコラボ。坂本には珍しい男歌を、ギター一本でより情感豊かに仕上げていた。

 原曲は、演歌としては出色の実売5万枚目前。カラオケチャートも昨年12月と1月に1位を記録しており、さらなる飛躍へ「追撃」をかける一手だった。「自分でも、久しぶりのヒットにつながる手応えを感じて、意気込んでいた」というだけにひときわ無念の思いがある。すでに完成しているCD1万枚とカセットは倉庫に山積みだが「世の中がこんな状態では、発売も何もない」と話す。

 3月2日の岡山公演以降のコンサートや、5月に予定していた福岡・博多座の座長公演は全て中止に。4月11日に故郷・和歌山県で走るはずだった東京五輪の聖火ランナーも白紙となった。

 ファンとふれあう機会がなくなり「なんとか生の姿をお届けしたい」と、先月17日にはYouTubeでの動画配信を始めた。クールな坂本が不慣れな作業に四苦八苦する素顔や、セーラー服や法被などを着て熱唱する体当たりの姿に、チャンネル登録数は5万7000を記録し好評だ。

 「コロナがなければ動画配信することもなかった。災い転じて福となすじゃないが、何とか前向きに思えるようにしたい」と語る。出口の見えない苦しみに直面する日本中の人々に「いつか光が見える。気持ちが折れないよう一緒に頑張りましょう」と呼びかけた。

 ≪販売イベント「3密」で開催できず≫「DREAMS COME TRUE」や「King&Prince」ら、演歌以外でも新曲発売の延期が相次いでいる。海外でも米バンド「ボン・ジョヴィ」がアルバム発売を今秋に延期するなど影響が出ている。音楽関係者は「コンサート会場でCDを販売する形は定着しておりライブ自粛下では発売に踏み切りにくい」と話す。「特に演歌はレコード店での歌唱イベント、店頭即売会などが販売の主力」とし「3密の典型で開催できないという事情が大きい」と説明した。

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