「報ステ」危機…コロナ陽性のテレ朝・富川アナ、発熱後4日間出演 スタッフら20人自宅待機に

[ 2020年4月13日 05:30 ]

テレビ朝日・富川悠太アナウンサー(テレビ朝日HPから)

 テレビ朝日は12日、「報道ステーション」メインキャスターの富川悠太アナウンサー(43)が11日に新型コロナウイルスの感染検査で陽性と確認されたことを発表した。3日に初めて38度の発熱があった後、平熱に下がったため、6日から9日まで番組出演を続けていた。この間、富川アナと接触したスタッフ約20人が自宅待機しているとの情報もある。日本を代表する報道番組が、報道態勢の危機に陥っている。

 同局広報によると、富川アナは3、4日に38度の発熱があったがすぐ熱が下がった。平熱が続いたことから6日に通常出勤した。しかし7日の本番中にたんが絡み、かすれ声に。翌日から息切れを感じるようになったが9日まで出演を続けた。10日に息苦しさが続き、都内の病院に入院。CT検査で肺炎の症状が見られ、11日にPCR検査を受け陽性が確認された。渡航歴はなく、感染経路は不明。現在、せきや発熱、嗅覚・味覚の異常はないという。

 富川アナの出演中に接触があった番組共演者、スタッフにはすでに自宅待機などの措置を行っているとした。自宅待機しているスタッフは20人に及ぶとの情報もある。広報は、接触者に体調の異変は確認されていないとしたが、関係者によると「幹部スタッフが発熱して、療養中だと聞いている」とした。

 3日の発熱後、すぐ出演中止などの対応を取らなかった理由について、広報は「社への体調不良の報告が9日だった」「治療の経過などについては9日以降のことしか把握していない」と説明。他局の報道番組スタッフは「国難の中、報道はテレビ局の使命。携わる立場として気持ちは分からなくはないが、対応としては、どうだったのか」と指摘する。

 4日に感染を公表した「森三中」黒沢かずこ(41)が、最初に発熱してすぐ平熱に戻る症状だったことが報道されていたこともあり「キャスターとして耳に入っていたはず」との声も上がった。

 声がかすれた7日の放送後、ネット上では体調の異変を心配する声も多数見られた。局内では、出演継続を疑問視する意見は出なかったといい、広報は「ご指摘は真摯(しんし)に受け止める」とした。

 100人規模で制作を行っている報ステは結果として多数のスタッフを欠くことになる。関係者によると「報ステは他の報道番組に携わるスタッフを借り出さないといけない状況で、影響は報道番組全体に及ぶ」という。

 アナウンス室にも影響は拡大。コンビを組むフリーの徳永有美アナウンサー(44)や森川夕貴アナ(26)は自宅待機中。同局によると、収録に使われている同局4階のスタジオだけでなくアナウンス室も消毒が行われたといい「もしアナウンサーに欠員が続けば、報道番組を存続できない可能性もある」と危機感を語る。きょう13日からは小木逸平アナ(45)とフィールドリポーターの森葉子アナ(33)が代役を務める方向だ。

 出演者同士の距離を取るなど対策を講じていた同番組。同様の措置で放送を続けていた他の報道番組も、見直しを強いられることになる。 

 《市販の薬は飲まない方がいい》発熱の症状が出た場合、我々はまず何をすべきか。特に深く考えず市販の風邪薬や解熱剤を服用する人が多そうだが、感染症に詳しい山野美容芸術短大の中原英臣客員教授は「市販の薬は飲まない方がいい。熱が下がると、感染に気づかなくなる。医師も正確な判断をしづらくなる」と注意を促した。「いきなり病院に行くのが一番ダメ。うつしたり、うつされたりするリスクが高い。自分で判断しないで(保健所などの)相談窓口に電話して、詳しく症状を説明して指示に従ってほしい」とした。

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