豊島名人・竜王が展望 25、26日王将戦第2局「後手番でブレークすれば王将が一気に行く可能性も」

[ 2020年1月24日 18:50 ]

<王将戦前日>対局場を訪れ照明の確認をする渡辺王将(左)と広瀬八段 (撮影・奥 調)
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 将棋の第69期大阪王将杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は25日、大阪府高槻市の山水館で第2局が始まる。24日は先勝した渡辺明王将(35)=棋王、棋聖との3冠=、挑戦者・広瀬章人八段(33)ともに現地入りし、対局場を検分した。第2局立会人の桐山清澄九段(72)の弟子で、今期挑戦者決定リーグで広瀬と戦った豊島将之名人・竜王(29)がシリーズを展望した。

 全8冠のうち最多3冠の渡辺、ビッグタイトル2冠の豊島、この2人が棋界の2トップと言える。豊島は昨秋、王将戦挑戦者決定リーグに参戦。4勝2敗で、5勝1敗だった広瀬に及ばなかった。

 第1局で印象的として挙げたのが23手目[先]9六歩(第1図)だった。渡辺が矢倉へ早く囲うため、次に指したい[先]6八王の際に「後手から開戦されるのを避けている」。[先]9六歩を突かず早囲いへ進むと、広瀬に駒損ながら竜を作られてしまう。昨年の棋聖戦5番勝負などを通じ「準備をしっかりされる棋士。作戦が練られている」と語る渡辺の引き出しの多さを再確認した。

 対する広瀬ではその3手後[後]7三銀、[先]6八王と進んだ[後]6四銀に引き付けられた。「これまでじっくり指される印象でしたが積極的」と解説。昨年の竜王戦7番勝負で豊島と対戦した広瀬は角換わりだけでなく先手番で相掛かり、矢倉も指した。「色んな戦型を幅広く指すことで王将へのプレッシャーになる」と準備を重視する渡辺への負担を増す狙いを指摘した。

 第2局の舞台、高槻市は師匠の地元。高校2年で四段になるまで月1回ペースで通った。師匠と将棋を指すためで、8年間で約100回に及ぶという。

 将棋は先手が若干勝率の上で有利なため、テニスにたとえられる。「後手番でブレークすれば王将が一気に行く可能性も。でも広瀬さんが取れば、2月以降、棋王とのダブルタイトル戦になる王将も大変です」。第1局が2月1日に迫る棋王戦。7番勝負の岐路との見立てを示した。(筒崎 嘉一)
 

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