横山たかしさんの相方ひろし号泣「金色を見たら思い出して」 最後に伝えた51年分の「ありがとう」

[ 2019年6月3日 16:14 ]

金ピカの車イスの横で、横山たかしさんの思い出を語る相方の横山ひろし
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 1日に多臓器不全のため70歳で亡くなった横山たかし(本名・山高孝=やまたか・たかし)さんの相方・横山ひろし(72)が3日、大阪・心斎橋角座で会見。「51年のお礼を言いたくて、相方の手を握って“ありがとう”って言いました」と号泣しながら思い出話を披露した。

 演芸養成所「明蝶芸術学院」で知り合った2人は同じ愛媛県出身で意気投合しコンビ結成。故・横山やすしさんに弟子入りした。「オカマどつき漫才」で人気を得て、90年代に入ってから金ピカ衣装で演じる「お金持ちのお坊ちゃま」のほら吹き漫才で確固たる地位を築いた。

 金ピカ衣装の発案者はひろし。「また、松竹で売れるにはどうしたらいいか。何かを変えないとアカン」と、嫌がるたかしさんを説得して衣装を着せた。だが「金の衣装を着て出たら、何も言わなくてもお金持ちのお坊ちゃまに見えた。その後、偽者やけど、気持ちがホンマもんの金持ちに見えてきた」と回想した。棺には金ピカの衣装と、たかしさんがネタを演じる際に口にくわえた真っ赤なハンカチが入れられたそうだ。5月28日からたかしさんの金ピカ衣装は上方演芸資料館・ワッハ上方(大阪市中央区)の企画展示「芸人とファッション」で飾られている。

 ひろしが最後にたかしさんと会ったのは5月31日に病室を訪ねた時。「肩で息をして、点滴の針が欠陥を通らん細さ。51年のお礼を言いたくて、相方の手を握って“ありがとう”って言いました。そうしたら力いっぱい手を握り返して…“ありがとう”って。彼のすべてを伝えるように力強かった」と大粒の涙を流した。

 2日の出棺にも立ち会い「長いこといい夢を見させてくれました。霊きゅう車に入る時、皆に“拍手だけしてやって。あいつは拍手が好きやったから”と言いました」と、参列者全員で拍手する中、たかしさんを送り出した。

 ひろしは「今は頭が真っ白。現実を受け止めてない部分がある。何か考えてやっていきたい」と今後について話した。また「たかしを忘れんとってください。金色の物を見たら相方を思い出してやってください」と締めくくった。

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2019年6月3日のニュース