【柳沢慎吾のひとり甲子園“再現動画”】地鳴りの大歓声 松山商「奇跡のバックホーム」

[ 2018年8月3日 09:00 ]

「奇跡のバックホーム」で憤死した走者を再現する柳沢慎吾
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 「夏将軍」として高校野球ファンにおなじみの松山商(愛媛県)。夏60勝は公立校では全国最多だ。1902年の開校とともに野球部が創部されて。野球王国・愛媛をけん引して球史に残る名勝負を繰り広げてきた。

 96年の熊本工との決勝戦は劇的だった。アルプススタンドは約800人の大応援団。みんなそろいの麦わら帽子をかぶっていた。手にはスクールカラーのメガホン。チャンスのたびに王道の応援曲「コンバットマーチ」や「狙いうち」で声援を送っていた。伝統校らしい応援だったね。

 「奇跡のバックホーム」は凄かった。10回裏1死満塁でサヨナラ負けのピンチ。交代したばかりの矢野くんが守るライトへ大飛球が飛んだ。NHKの実況アナウンサーまでが「行ったぁ!これは文句なしッ」と言っちゃった。それくらい、みんな試合が終わったと思ったのよ。

 それが、矢野くんから矢のようなノーバウンド返球が本塁へ。これが100球投げて1球あるかないかのスーパープレー。捕手が構えていたミットにそのまま届いて、足から滑り込んできた熊本工の三塁走者にミットが当たった。大きく手を広げてセーフを強調する走者に、審判は「アウト!」。奇跡を目撃した大観衆。地鳴りのような歓声が響いた。

 この瞬間は、今でも映像で何回見ても「やったー!すげえッ」ってなっちゃう。ちなみに、この試合の解説が箕島監督を勇退した尾藤公さんと星稜の山下智茂監督だったテレビ局があったんだ。箕島―星稜の奇跡の一戦を繰り広げた名将2人も、新たな“奇跡”の目撃者だったんだね。

 熊本工の走者は、熊本市内で「たっちあっぷ」というバーを営んでるんだよね。「奇跡のバックホーム」から20年がたった2016年には大地震で被害を受けた熊本を支援するため、両校の当時のメンバーが集まってOB戦をやった。甲子園で結ばれた絆は、かけがえのないものだってことが伝わるよね。

 今年、愛媛からは2年連続で済美が出場する。応援曲「サニーデイサンデー」で春優勝、夏準優勝となったのが14年前。5日の大会初日に登場してくるから楽しみだね。

 松山商と並ぶ四国の古豪といえば高松商(香川)。2年前のセンバツで準優勝し“古豪復活”となった時に注目されたのが、得点機に必ず流れていた応援曲「プリティフライ」。米ロックバンド「オフスプリング」の代表曲をアレンジしたもので、高松商の快進撃をきっかけに夏の大会でも2年連続(16年尽誠学園、17年三本松)で演奏され、香川県勢に定着。今年の丸亀城西は演奏するのかな。

 ▼松山商6―3熊本工(96年決勝)3―3で延長戦へ。松山商は10回裏1死満塁のピンチをしのぐと11回に勝ち越し全国制覇。

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