拍手を送りたい17年ドラマの名演技 三浦春馬“チェリート”、篠原ゆき子“赤ちゃん失う妊婦”

[ 2017年12月30日 10:30 ]

「オトナ高校」で“チェリート”を好演した三浦春馬
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 2017年も残りわずか。世間ではテレビ離れと叫ばれて久しいが、今年も見ごたえのあるドラマが多く生まれた。

 ドラマといえばどうしても視聴率で良い、悪いと評価されてしまいがち。だが、数字が芳しくなかったものの中でも最終回まですべて見てしまったものもある。その筆頭がフジテレビ系「セシルのもくろみ」(7〜9月期)。とにかく女優陣が「美しい」の一言で、主演の真木よう子(35)はもちろん、吉瀬美智子(42)、板谷由夏(42)、長谷川京子(39)、伊藤歩(37)、芦名星(34)とこれでもかというほど美人女優がズラリと並んだ。20代前半のフレッシュな女優さんもいいが、オトナ世代の女優さんの美しさといったら…。同じ女性として思わず見惚れるレベルに「これは女優の美しさを愛でるドラマ」と確信。数字が伸びなかったのは残念だが、ドラマが終わった後は寂しさを感じた。

 新鮮だったのはテレビ朝日系「オトナ高校」(10〜12月期)だ。政府が少子化に歯止めをかけるため性体験のない30歳以上の男女を強制的に入学させるオトナ高校を舞台にしたコメディー。東大卒のエリート銀行マンだが童貞の“チェリート”を演じた主演の三浦春馬(27)は新境地を開いたのではないか。これまでは見た目通りのイケメン役が多かったが、恥ずかしいセリフを堂々と口にし、“顔芸”とも言えるオーバー気味な表情や目つきには声を出して笑った。仕事で疲れて帰宅し、ソファに身をゆだねて見るにはあれぐらい現実味のない笑えるドラマがちょうど良かった。「アンフェア」(06年)で主役の篠原涼子(44)演じる美人刑事・雪平に射殺された男を演じた三浦が、時を経て「ラストシンデレラ」(13年)で篠原と恋人役を演じた時とはまた違った驚きがあって楽しめた。

 最後はTBS系「コウノドリ」(10〜12月期)を挙げたい。綾野剛(35)主演で、産婦人科を舞台に描かれた人気ドラマの第2シリーズ。2年前の第1シリーズから重いテーマも少なくないが、切迫早産や死産を扱った今シリーズの第5話は特に「泣いた」という声が周りでも多かった。篠原ゆき子(36)演じる妊婦はお腹の中で亡くなってしまったことが分かっている胎児を陣痛の痛みに耐えて出産。命の重さを痛感するとともに胎児の両親に感情移入してしまう視聴者も多く、難しい役を熱演した篠原のブログにもコメントが殺到するほど大きな反響があった。篠原はこれまでドラマやCMに多数出演しているが、「コウノドリ」が代表作になったのは間違いない。あの演技力を来年はもっと多くのドラマで見られることを期待したい。

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2017年12月30日のニュース