他と一線を画すテレ東の恐怖番組「最恐映像ノンストップ」舞台裏 番宣CM怖すぎNG

[ 2017年8月6日 08:00 ]

「最恐映像ノンストップ5」収録の様子(C)テレビ東京
Photo By 提供写真

 テレビ東京の人気恐怖企画「最恐映像ノンストップ」が6日放送の日曜ビッグバラエティ「最恐映像ノンストップ5」(後7・54)で1年ぶりに帰ってくる。メインMCの中山秀征(50)ら芸能人が1台のバスに乗り込み、立て続けに流れる恐怖映像を見ながら実在する心霊スポットを探訪。2014年8月のシリーズ第1弾以降ほぼ年1回ペースで放送され、“テレ東・夏の風物詩”とも呼ばれるヒット作となった。スタジオ収録ではなく、バスに乗って心霊スポットを巡るという独特の番組スタイル。今回、シリーズ第5弾の撮影に同行し、番組の裏側に迫った。

 7月某日、午後8時。シリーズ第5弾のロケは東京・八王子で行われた。MCの中山のほか、ゲストの木下ほうか(53)西村知美(46)土田晃之(44)バイきんぐ・小峠英二(41)朝比奈彩(23)が続々とバスに乗り込み、翌朝まで続く“恐怖のツアー”がスタートした。

 バスの行き先には「最恐映像ノンストップ」の文字。“恐怖感”を醸し出すために外観は汚し加工が施されている。バスは真夜中に走行するため番組上は見えないが、細部にスタッフの遊び心が宿っている。

 心霊スポットへ向かうまでの間、出演者は車内に設置されたモニターで選りすぐりの恐怖映像を見ることになる。震え上がるようなVTRのオンパレードに「うわ〜」「気持ち悪い!」と次々に悲鳴を上げる。

 「基本的には心霊エピソードがある方や、心霊写真を持っている方、リアクションの良い方に出演していただいています」と今回のキャスティングについて語るのは、第5弾のプロデューサーを務める同局制作局の石井成臣氏。出演オファーを出したが、「霊感が強すぎて迷惑になる」という理由で出演を辞退した芸能人もいるという。

 恐怖映像によって心拍数が上昇する中、バスは“都内最恐スポット”として知られるトンネルに到着。出演者はバスを降り、恐る恐るトンネル内に足を進めた。その詳細は6日の放送で明らかとなるが、恐怖体験の連続にキャストの表情は終始こわばっていた。

 バスの車内で恐怖映像を見ながら心霊スポットを巡る――。他の恐怖番組とは一線を画すスタイルは、どういったきっかけで誕生したのか。シリーズ第1弾から第3弾まで番組プロデューサーを務めた同局編成局の金子優氏は番組誕生の経緯についてこう語る。

 「夏の定番コンテンツとなる番組を作ろうという話になり、『怖い映像の番組を作ってくれ』と言われたんです。どうしようかなと悩んだのですが、テレビ東京と言えば『バス』というイメージが自分の中にあり、熱意のあるスタッフと意見をぶつけ合う中でこういった新しい形の番組が生まれました」

 「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」などのヒット作を生み出したテレビ東京ならではのホラー企画。「それに、バスに乗せてしまえば逃げられないし、気持ちも入るじゃないですか。出演者が逃げられないようにバスに閉じ込め、朝まで走る。そんな番組です」と金子氏は笑う。

 過去のロケでは“霊”の仕業と思われる不可解な現象も起こったという。「MCの中山秀征さんは第3弾のロケの際に体が痛いとおっしゃっていましたし、僕も第2弾のロケに向かう時に胸のあたりが圧迫されるような感じで痛かったです。あとはVTRの音が飛んだり、なぜか映像が流れないといったこともありました。第1弾のロケでは朝方に最後のロケ地に向かっている時に、バスが中央分離帯に乗り上げてあわや横転という“事故”もありましたね。あれもそういう現象の一つかなと思うと怖いですよね」と振り返る。

 第1弾の放送から3年。多くの“心霊ファン”の支持を得る人気シリーズとなった「最恐映像ノンストップ」。石井氏は「今回は新しい試みとして、タクシー運転手の方が体験した心霊現象を再現VTRにしたうえで、目撃したのが実在の人物なのか、あの世の人物なのかを徹底調査するということをやってみました」と今後を展望する。

 ロケ終了から1週間後、石井氏を改めて取材すると「番組宣伝用のスポットVTRを作ったのですが、広報局から『怖すぎる』とNGを出されて作り直しました。本編はもっと怖いですよ」と第5弾にかなりの手応えを感じている様子。「こういった番組が好きな方はもちろん、苦手という方もぜひ一度見て欲しいです。本当に涼しくなる、夏にピッタリの番組です」とアピールした。

続きを表示

この記事のフォト

2017年8月6日のニュース